“打撃王者”の進化―ベスタティ、MMAでも際立つ破壊力を証明
【©️Levels Fight League 】
欧州格闘技で最強との呼び声高い“転向者”が着実に評価を高めている。
元GLORYライト級王者のティジャニ・ベスタティが、総合格闘技の舞台でもその資質を明確に示し始めた。
現地時間4月12日、ベルギー・アントワープで開催された『Levels Fight League 22』。ベスタティはポルトガルのベテラン、ディエゴ・サントスと対戦し、わずか1ラウンドで決着をつけた。鋭く突き上げたヒザ蹴りで相手の動きを止めると、間髪入れずにパウンドを浴びせ、レフェリーストップへと持ち込んだ。
これでMMA転向後は3試合連続の初回KO勝利。
単なる“打撃偏重”にとどまらず、試合全体をコントロールする力が際立つ内容だった。組みを狙う相手に対して無理に応じることなく、間合いとステップで主導権を握り続け、最終的に自身の得意領域へと引き込む。そこに至るまでの過程には、競技横断的な適応力が見て取れる。
ベスタティはキックボクシングで確固たる実績を築いてきた。GLORY王者としての実績に加え、2023年にはシュートボクシング王者の海人を判定で下すなど、その技術水準は高い。通算27勝(9KO)という戦績以上に、試合を組み立てる力に評価が集まってきた選手でもある。
2024年にMMA転向を表明して以降、その歩みは極めて順調だ。異なる競技体系への移行は本来、時間を要するが、ベスタティは短期間で一定の完成度に到達している。今回の試合でも、テイクダウンを狙う相手の意図を見極め、リスクを抑えながら打撃戦へと誘導。決定的な局面で一気に仕留める構図は明確だった。
同じく立ち技からMMAへと転じ、成功を収めたアレックス・ペレイラの存在は、比較対象としてしばしば引き合いに出される。もちろん現時点での実績には大きな差があるものの・・・“試合を終わらせる打撃”という強みは共通している。
試合後、ベスタティは「一歩ずつ頂点へ近づいている」と語った。
その言葉どおり、彼のパフォーマンスは段階的な進歩を示している。打撃の威力に加え、状況判断や距離の支配といった要素がかみ合い始めている今、MMAファイターとしての評価はさらに高まっていく可能性がある。
キックボクシングで世界の頂点に立った男は、総合格闘技の舞台でも同様の白星街道の軌跡を描くのか。

