FIFA、女子大会で“女性指導者の配置”を義務化 9月U-20女子W杯から新ルール導入へ

2026.3.20

【©️FIFA】

国際サッカー界におけるジェンダー平等の流れが、大きな一歩を踏み出した。国際サッカー連盟(FIFA)は3月19日、同連盟が主催するすべての女子大会において、各チームに女性監督、または女性コーチの配置を義務付ける新規定を承認したと発表した。


 

▪️ベンチ入りスタッフにも女性配置を義務

今回の新規定では、チーム編成における女性スタッフの関与が明確に数値化された。各チームは、女性監督、もしくは最低1人の女性アシスタントコーチの配置が必須となる。

さらに、

・医療スタッフに最低1人の女性

・ベンチ入りスタッフのうち最低2人の女性

の確保も求められ、技術面だけでなくチーム運営全体における女性参画の拡大が図られる。対象は年代別・フル代表のナショナルチームに加え、クラブ大会にも及ぶ。

 

▪️9月のU-20女子W杯で初適用、27年W杯にも導入へ

新ルールは、今年9月にU-20女子ワールドカップ(ポーランド開催)で初めて適用される予定だ。その後、U-17女子ワールドカップや、新設されるクラブ大会「FIFA女子チャンピオンズカップ」へと拡大。さらに、2027年にブラジルで開催されるFIFA女子ワールドカップでも導入される見通しとなっている。

 

▪️「女性指導者の可視性を高める」FIFA幹部が狙いを説明

FIFAでチーフ・フットボール・オフィサーを務めるジル・エリス氏は、今回の決定について次のように意義を強調した。

「現状では女性指導者の数が十分とは言えない。より明確なキャリアパスを整備し、機会を広げ、ベンチでの可視性を高めることで変革を加速させる必要がある」

女子サッカーは近年、競技人口や市場規模の面で急成長を遂げている一方、指導者層においては依然として男性が多数を占める構造が続く。実際、2023年大会では32チーム中、女性監督は12人にとどまっていた。

 

▪️なでしこジャパンも対象に すでに女性コーチが在籍

日本代表にもこの流れは無関係ではない。なでしこジャパンは、ニルス・ニールセン監督のもとでチーム作りを進めているが、すでに女性コーチとしてリア・ブレイニー氏がスタッフに名を連ねている。

今回の新規定は単なる義務化にとどまらず、女子サッカー界における指導者育成の在り方そのものを変える可能性を秘めている。競技の発展とともに、ベンチの景色もまた変わろうとしている。