ボクシングWBA世界ミニマム級タイトルマッチで松本流星選手が初防衛に成功 高田勇仁選手との再戦を完勝 亡き恩師と先輩にささげる勝利

2026.3.15

プロボクシングのWBA世界ミニマム級タイトルマッチ(12回戦)が3月15日、横浜BUNTAIで行われ、王者の松本流星選手(帝拳)が同級4位の高田勇仁選手(ライオンズ)とのダイレクトリマッチを制し、判定勝ちで初防衛に成功した。

両者は昨年9月の王座決定戦でも対戦しており、その際は偶然のバッティングによる負傷判定で松本選手が世界王座を獲得。

今回の再戦は、高田選手にとって雪辱を懸けた一戦となった。


 

試合は序盤から前へ出てプレッシャーをかける高田に対し、松本選手が落ち着いた試合運びで対応。軽快なフットワークを使いながら距離を支配し、タイミングの良い左ストレートやカウンターでポイントを積み重ねた。

7回には松本のパンチで高田の右目上と鼻がカット。さらに9回には偶然のバッティングで松本自身も右目上を切る場面があったが、攻勢は衰えなかった。冷静に攻撃をさばきながら的確にヒットを重ね、試合の主導権を最後まで握り続けた。

決定打によるKOこそ生まれなかったものの、判定は3人のジャッジすべてが120―108。フルマークの大差で王者の完勝となった。

試合後、松本選手は「前回とは違い、高田選手の対策が見えた。圧倒した内容を見せたかったが、相手の粘りもあった。でも最後まで白熱した試合を見せられたと思う」と振り返った。

この勝利は、昨年10月に51歳で亡くなった日大ボクシング部の恩師・梅下新介さんへの思いを込めたものでもあった。さらにトランクスには、昨年8月に急性硬膜下血腫で28歳の若さで亡くなった大学の先輩・神足茂利さんのロゴマークを付けてリングに上がり、亡き恩師と先輩に勝利をささげた。

兵庫県高砂市出身の松本選手は、父が通うボクシングジムで4歳から競技を開始。日出高(現・目黒日大高)から日本大学へ進学し、2022年の全日本選手権で優勝した。2023年にプロデビューすると快進撃を続け、昨年9月にはプロ7戦目で世界王座を獲得。名門・帝拳ジム所属選手としては最短での戴冠だった。

 

今回の防衛戦に向けては、同門の岩田翔吉選手や東洋太平洋ミニマム級王者の石井武志選手らと約150ラウンドのスパーリングを重ね、フットワークを主体としたボクシングを徹底的に磨いてきたという。

「常に足を止めないボクシングをゼロから教わった。以前は倒すことばかり考えていたが、初心に戻って土台から作り直した」と成長の手応えを口にした。

戦績はこれで8戦全勝(4KO)。

一方の高田選手は16勝(6KO)10敗3分となった。

WBAの同級では、WBO王者でもあるオスカー・コラーゾがスーパー王者として君臨しており、今後は統一戦実現へ向けた動きが注目される。

「子どもの頃から“本物のチャンピオン”になりたいと思っていた。日本は卒業したので、これからは世界の強い選手と戦っていきたい」

松本はリング上でそう語り、さらなる高みへの挑戦を力強く誓った。