台湾が執念の逆転劇 延長タイブレークで韓国撃破、涙の勝利で決勝Tへ望みつなぐ

2026.3.8

【©️WBC】

主将・陳のヘッドスライディングが呼んだ決勝点、

東京ドームは台湾ファンの歓喜に包まれる

「WBC東京プール」第4戦で、台湾代表が劇的な勝利を収めた。

3月8日、東京ドームで行われた韓国戦。延長タイブレークにもつれ込む死闘の末、台湾は5―4で逆転勝利。土壇場での執念の一打と走塁が流れを引き寄せ、チームは決勝トーナメント進出へかすかな望みをつないだ。


 

歓喜の中心にいたのは、主将の陳だった。

延長10回、タイブレークで二塁走者として代走起用されると、三塁への進塁を狙った打球で迷いなくヘッドスライディング。気迫あふれるプレーでもぎ取った内野安打がチャンスを広げる。そして続く場面、スクイズが決まり、陳が本塁へ滑り込んだ瞬間、台湾ベンチは総立ちとなった。

この決勝点を守り切ると、選手たちはベンチを飛び出して歓喜の輪をつくった。マウンド付近で円陣を組むと、次第に感情があふれ出す。選手の多くが涙を流し、スタンドの台湾ファンもまた涙を浮かべていた。東京ドームは、まるで台湾のホーム球場のような熱気に包まれた。

試合後、曽豪駒監督は「非常にタフで、そして素晴らしい試合だった。最後まで団結して戦い抜いた選手たちを誇りに思う」と語り、決勝点を呼び込んだ陳主将は「チームメートとファンに感謝したい。私たちは諦めなかったし、ファンも最後まで信じてくれた」と声を震わせた。

試合は序盤から激しい攻防だった。台湾は2回、張育成のソロ本塁打で先制。先発・古林睿煬も4回まで韓国打線に二塁すら踏ませない好投を見せた。しかし5回、四球と安打でピンチを招くと同点に追いつかれる。

その後、台湾は鄭のソロ本塁打で再び勝ち越したが、直後に逆転2ランを浴びるなど試合は二転三転。それでも8回、2死二塁からフェアチャイルドが右翼席へ起死回生の同点2ランを放ち、試合は延長へと突入した。

そして迎えたタイブレーク。主将の気迫の走塁とスクイズが生んだ1点を、投手陣が守り切り、台湾はついに韓国を振り切った。

この勝利により、台湾は2勝2敗。決勝トーナメント進出争いは一気に混沌としてきた。

今大会の東京プールは当初、日本の突破が有力視される中で、残る枠を巡り韓国、オーストラリア、台湾が競り合う構図とみられていた。だがこの日の台湾の勝利によって状況はさらに複雑化。3チームの実力差は紙一重で、どこが次のラウンドへ進むのかは依然として見通せない。

特に台湾は、昨年のプレミア12を制した実績を持つ投手力が武器のチーム。この日のように粘り強い戦いが続けば、最後の最後で情勢をひっくり返す可能性も十分にある。

東京ドームで見せた涙の逆転劇は、単なる1勝以上の意味を持つ。
台湾がつないだ“わずかな可能性”は、グループリーグの行方そのものを揺さぶり始めている。

残された試合次第で、オーストラリア、韓国、そして台湾――。
東京プールのもう一つの切符が、どの国の手に渡るのか。