水谷豊さんが監督第4作で挑む“アート映画” 娘・趣里さんと初共演『Piccola felicita ~小さな幸せ~』公開へ

2026.3.6

©️Trysome Bros.】

俳優の水谷豊さんが企画・監督・脚本・プロデュース・主演の“1人5役”を担う最新映画
Piccola felicita ~小さな幸せ~が、4月24日から全国で順次公開されることが決まった。

同作には水谷さんの娘で俳優の趣里さんも出演。

父と娘による初の映画共演が実現することでも注目を集めている。

公開に先駆けて、本予告映像とポスタービジュアル、キャスト・スタッフ情報が一斉に解禁された。


 

▪️“1人5役”で描く、人生の岐路と小さな幸福

タイトルの「Piccola felicita」はイタリア語で「小さな幸せ」を意味する。

水谷さんにとって監督作としては4作目となる本作は、「ART(アート)」をテーマに据えた群像劇。人生の転機を迎えた人々の複数の物語が交錯し、それぞれの運命が思いがけない結末へと導かれていく構成となっている。

物語を彩るキャストには、池谷のぶえさん、菜葉菜さん、河相我聞さん、橋本淳さんらが名を連ね、趣里を含めた俳優陣が4つのエピソードを織り成す人間模様を演じる。

映像面では、水谷が長年主演を務めるドラマ相棒シリーズでタッグを組んできた撮影監督の会田正裕が参加。音楽は前作太陽とボレロでも劇伴を手掛けた山元よしきが担当する。

 

▪️“壁に飾りたくなる映画”を目指して

本作の特徴は、映像表現への徹底したこだわりだ。

物語ごとに「オレンジ」「グリーン」「マゼンタ」といったテーマカラーが設定され、色彩と音楽を融合させた映像美を追求。水谷さんは「すべてのショットが絵画のように見える映画」を目指したという。

公開された予告編では、次のような人物たちの人生が交差する。

・定年退職を迎えたファミリーレストラン店員・佐藤宗太郎(水谷)

・離婚を考え始めた画家・高橋富士夫(河相)と妻ミキ(菜葉菜)

・デートを楽しむ若い恋人たち、田中礼央(橋本)と白河葵(趣里)

一見すると穏やかな日常を描く人間ドラマだが、映像はやがて急転。
飛び降りを図る男、宙を舞う札束、燃え上がる炎、そして感情の爆発。

静かな日常と混沌が交錯する展開は、コピーにもある
「優しさが映画の結末を変えた」
という言葉の意味を観客に問いかける。

 

▪️“自分の世界が始まった”と熱意を語る

水谷さんによれば、脚本を書き上げたのは2022年。当初は「いつか形にできれば」と思い描いていた構想だったという。

その脚本を思い出したのが2年後の2024年。

撮影監督の会田との議論を経て、作品の軸に「アート」というコンセプトを据えた。

完成した作品を初めて観たときの感覚をこう振り返る。

「ようやく始まったな、という気持ちでした。自分の世界がついに動き出したんだという感覚。それはまさに僕にとっての“ピッコラ・フェリチタ”だった」

俳優として長いキャリアを持つ水谷さんだが、映画監督としての表現世界がここから本格的に始まるという手応えを得たという。

 

▪️映画館のない地域へも 全国巡回上映を計画

さらに今回は劇場公開だけにとどまらない。

「映画館のない地域にも映画を届けたい」という水谷の思いから、監督自身が作品とともに全国を巡る上映会を行う計画も発表された。

最初の上映は4月24日、兵庫・淡路島で開催される
うみぞら映画祭
の前夜祭。映画祭10周年を記念するセレモニーとともに、本作が初披露される予定だ。

その後、各地の上映会や劇場で順次公開される。

さらに水谷さんが映画監督としてのキャリアを振り返る書籍『YUTAKA MIZUTANI』(仮題)も5月に刊行予定。