松田聖子さんが証明した“テレビの底力”紅白が5年ぶり40%超え、令和でも揺るがぬ視聴率の影響力
【©️NHK】
令和の時代にあっても、テレビは「国民的瞬間」を生み出せるメディアである。
その事実を改めて浮き彫りにしたのが、昨年大みそかに放送された
「第76回NHK紅白歌合戦」だ。
5日に判明した毎分視聴率(関東地区)によると、番組平均視聴率は第1部30・8%、第2部35・2%を記録。第2部は2025年に放送された全テレビ番組の中でトップとなり、年末の“風物詩”としての存在感を強く印象づけた。
中でも際立ったのが、出場歌手別最高視聴率を叩き出した松田聖子(63)のステージだ。5年ぶりの紅白出場となった松田聖子さんは、白組・紅組すべての歌唱の演者が終了した後、最終歌唱者として特別企画枠で登場。
1980年の初出場時に披露した「青い珊瑚礁」を歌い上げた瞬間、
視聴率は39・9%(午後11時38分)に到達した。
この数字は単なる“懐かしさ”では説明できない。
世代を超えて共有される記憶と感情を、リアルタイムで一斉に視聴させる力が、テレビには今もなお残されていることを如実に示した結果と言える。
歌手別2位は大トリを務めたMrs.GREEN APPLEの39・8%。
3位には、OGと現役メンバーが共演したAKB48が37・1%で続いた。
第1部では、水森かおりさんが“演歌×ドミノ倒し”という恒例演出で33・4%を記録し、安定した支持を集めた。
さらに特筆すべきは、番組全体の瞬間最高視聴率だ。
放送終了直前の午後11時44分、エンディングで全出場歌手が「蛍の光」を歌い終え、
白組の優勝が決定した場面で40・7%をマーク。
紅白における40%超えは5年ぶりで、前年同場面(35・9%)から4・8ポイントの大幅上昇となった。
直近で40%を突破したのは、20年大会での嵐の歌唱シーン(47・2%)まで遡る。
以降、テレビ離れや視聴環境の多様化を背景に、
高視聴率は“過去のもの”と語られることも少なくなかった。
しかし、放送100年という節目の年に、紅白は再び大台を突破。
視聴率という数字が示したのは、配信やSNSが主流となった現代においても、
「同じ瞬間を同時に体験する装置」としてのテレビの価値が失われていないという現実だ。
話題性、拡散力、そしてスポンサー価値。視聴率が持つ影響力は、
令和においてもなお健在。
紅白歌合戦は、テレビが依然として“社会をつなぐ中心メディア”であることを、
数字で証明してみせた。

