連覇への第一歩は“腕”から―侍ジャパン、WBC第一陣は投手8人 大谷翔平選手、菊池雄星投手が名を連ねる

2025.12.26

2026年WBCへ、井端ジャパンが静かに、しかし確かに動き出した。

【© SAMURAI JAPAN】

来年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、

日本代表「侍ジャパン」は26日、第一陣となる代表メンバー8人を発表した。

顔ぶれは全員が投手。大会連覇を目指すチーム作りは、

“まず投手から”という明確な意思を伴ってスタートを切った。


 

都内で取材に応じた井端弘和監督(50)は、

その理由を「WBC使用球への対応」を挙げる。

短期決戦で結果を左右するボールへの適応を

最優先事項と位置づけ、投手陣を先行して招集する判断を下した。


▪️大谷は2大会連続、菊池は悲願の初選出

メジャーリーガーでは、すでに出場を表明していた大谷翔平(31=ドジャース)が2大会連続で名を連ねた。前回大会では投打にわたり世界を圧倒し、日本の世界一奪還を牽引。その存在感は今大会でも別格だ。

井端監督は大谷について「グラウンドで暴れてもらえれば、周りにも良い影響しか与えない」と語り、精神的支柱としての役割にも期待を寄せた。

さらに注目は、花巻東高の先輩でもある菊池雄星(34=エンゼルス)。これまで縁のなかったWBC代表に初選出され、「年齢的にも上の立場」と自覚を示しながら、勝利への貢献を誓った。

松井裕樹(30=パドレス)は3度目のWBC出場。豊富な国際経験を持つ左腕は、ブルペンの柱として計算される存在だ。

 

▪️国内組も実力者ずらり “経験”と“伸び代”の融合

国内組では、前回大会で世界一を経験した伊藤大海(28=日本ハム)、大勢(26=巨人)が2大会連続の選出。短期決戦での強心臓ぶりは、今大会でも大きな武器となる。

一方で、種市篤暉(27=ロッテ)、平良海馬(26=西武)、石井大智(28=阪神)はWBC初出場。種市は前回大会でサポートメンバーとして帯同し、世界一の空気を肌で感じてきた一人だ。

「次は自分がメンバーに入りたいと思ってきた」。その言葉通り、今回は正式メンバーとしてマウンドに立つ。

 

▪️野手を含めた全貌は1月中旬に

今回の発表に、前回大会でエース級の働きを見せた

山本由伸(ドジャース)や今永昇太(カブス)の名前はなかった。

井端監督は「MLBとの調整や返答待ちの選手もいる」と説明し、

野手を含めた本格的な陣容は「1月中旬ぐらい」を目処に固まるとの見通しを示した。

第6回WBCは2026年3月に開催。

日本は韓国、オーストラリア、チェコ、台湾と

同組のプールCに入り、3月6日に東京ドームで台湾との初戦を迎える。