今井達也投手のメジャー挑戦については、過熱報道の裏で冷静な再評価 ヤンキース撤退、カブスも高額契約には慎重姿勢

2025.12.25

【©️MLB】

西武・今井達也投手(27)を巡る

メジャー移籍の行方に変化の兆しが見え始めている。
今オフ、複数の強豪球団が関心を示していると伝えられてきたが、

ここにきて米メディアの論調は一段と慎重なものへと傾いている。


 

まず、ニューヨーク・ヤンキースについては「撤退濃厚」との見方が急速に広がった。

地元メディア関係者の話によると、「現時点でヤンキースと今井を結ぶ明確なラインは存在しない」と断言。

地元紙ニューヨーク・ポストの報道でも、すでにコール、ロドン、フリードと大型契約を結んでいるローテ事情を挙げ、「これ以上の高額先発投資は考えにくい」と分析している。

さらに、もう一つの有力候補とされてきたシカゴ・カブスも、楽観視できない状況だ。

今井投手の予想契約額が8年総額1億9000万ドル(約296億円)規模に達するとの見立てに対し、その金額帯でカブスが参戦する可能性は極めて低いと言われている。

背景にあるのは、日本人投手の評価に伴う“リスク”だ。
日本から来る選手は、成績予測が本当に難しいと指摘。

その象徴として挙げたのが、今季ワールドシリーズMVPに輝いた山本由伸投手の存在だった。綿密な分析や調査を尽くしても、実際のパフォーマンスは予測を大きく超えてくることがある。これは成功例であると同時に、球団側にとっては不確実性を強く意識させる要因でもある。

実際、同じ日本のスター選手でも市場の評価は大きく振れる。
村上宗隆選手は当初、総額1億8000万ドル規模の契約が噂されたが、

最終的にはホワイトソックスと2年総額3400万ドルでの契約に落ち着いた。

市場の熱が冷めた瞬間、条件は一気に現実的なラインへと収束した好例と言える。

こうした事例を踏まえ、カブスが動くとすれば、市場が落ち着き、

価格が下がったタイミングに限られるとの報道が先行している。

今井投手自身の実力に疑いの声が出ているわけではない。

150キロ台後半の速球と高い奪三振能力は、メジャーでも魅力的な武器だ。

ただし、球団側は「能力」だけでなく、

「価格」と「リスク」のバランスを冷静に見極め始めている。