主役は21歳の新星だった―ブゼリスが自己最多級28得点 勢いに乗るブルズを象徴する乱打戦制覇

2025.12.22

【©️Chicago Bulls】

シカゴ・ブルズの上昇気流を、最も鮮烈に体現したのは21歳の新星だった。
12月21日(現地時間)、敵地アトランタで行われたホークス戦。152―150という壮絶な乱打戦を制したブルズで、チーム最多となる28得点を叩き出したのがマタス・ブゼリスだ。


今季ルーキーのブゼリスは、この日フィールドゴールを高確率で沈め、トランジションからのフィニッシュ、セカンドチャンス、そして勝負どころでのフリースローと、得点の形を問わずスコアを積み重ねた。

 

特にフリースローではチーム最多の7本を成功させ、接戦の中で確実に加点。

152得点という今季屈指の爆発力の中心にいたのは間違いなくブゼリスだった。

 

ブルズはこの試合、出場11選手中9人が2桁得点を記録するなど、

全員参加型オフェンスを展開。その中でも、最も多くネットを揺らしたのがブゼリスであり、単なる“分散得点”ではなく、「誰が決めるべきか」を自然に共有できていたことが、現在のチーム状態の良さを物語っている。

司令塔ジョシュ・ギディーが19得点9リバウンド12アシストとゲームをコントロールする一方で、スコアリングの最終的な出口を担ったのがブゼリスだった。ギディーが「多くの選手が2桁得点を取るのが僕らの勝利の方程式だ」と語った通り、その方程式の“解”として最も輝いた存在と言える。

試合後、ビリー・ドノバンHCはディフェンスと試合運びには厳しい言葉を並べたものの、オフェンスについては「ボールを動かし、シェアし、良いシュートを作れている」と評価。その言葉の裏には、若手が臆することなく得点源として機能している現状への手応えがにじんでいた。

失点は150点。決して褒められる数字ではない。それでもブルズは152点を奪い切り、これで3連勝。接戦を勝ち切れた事実は、チームが単なる勢いではなく、

得点力という明確な武器を手にし始めていることを示している。

その中心に現れたのがブゼリスだ。
若きフォワードがチーム最多28得点を挙げたこの一戦は、

ブルズが「全員で勝つチーム」から、

「若い主役が現れ始めたチーム」へと変貌しつつあることを印象付けた。