花岡竜選手、階級の壁を越える完勝 技巧と冷静さで鈴木真彦選手を制し世界戦線へ存在感【RISE 194】

2025.12.14

【©️RISE】

12月14日、東京・後楽園ホールで開催された「RISE 194」のメインイベントで、RISEスーパーフライ級王者の花岡竜選手(橋本道場)が、元バンタム級王者・鈴木真彦選手(TEAM 寿)とのスーパーファイトに臨み、判定3-0(30-28×3)で勝利を収めた。

1階級上となる−55kgでの挑戦ながら、スピードと戦術眼を武器に試合をコントロールし、来年開催が噂される−55kg世界トーナメントに向けて強い印象を残した。


 

花岡選手は序盤から距離感とフットワークを生かし、前に出て強打を振るう鈴木選手に対して不用意な打ち合いを避けながら、左ジャブや前蹴り、ミドルキックで主導権を握った。鈴木選手が圧力を強める場面でも、花岡選手はポジションを外しながら的確なカウンターを返し、試合全体を通して冷静さを失わなかった。

第1ラウンドは鈴木選手が積極的に前進し、フックやストレートで流れを引き寄せようとするも、花岡選手は足を使ったディフェンスと左の差し合いで応戦。

大きな被弾を許さず、要所でクリーンヒットを奪って印象を積み重ねた。

続く第2ラウンドも鈴木選手のプレッシャーは衰えなかったが、花岡選手は前蹴りやミドルで動きを止め、打ち終わりにパンチを合わせる展開を継続。

打ち合いになりかける場面でもガードを固めて被害を最小限に抑え、試合巧者ぶりを発揮した。鈴木選手が前に出た際にバランスを崩す場面もあり、花岡選手の距離管理の巧みさが際立った。

花岡選手は昨年12月にスーパーフライ級王座を獲得して以降、国内外の強豪相手に着実に結果を積み重ねてきた。

一方で、世界王者への挑戦や防衛戦の構想が流動的となる中、今回の階級を超えた挑戦は、自身の可能性を広げる一戦でもあった。

敗れた鈴木選手にとっては、復調への道のりの中での厳しい結果となったが、試合を通じて前に出続ける姿勢は健在であり、今後の再起に期待を残す内容でもあった。

階級の違いを感じさせない完成度の高いパフォーマンスを披露した花岡。

−55kg戦線でも通用することを証明しただけに、

今後のサクセス・ストーリーの道は選択肢が多く増えた。