石井一成選手、3度目のタイトル挑戦でK-1王座獲得 激戦の末に黒川瑛斗を下すも課題も露呈

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『K-1 WORLD MAX 2025 -70kg世界最強決定トーナメント・決勝ラウンド』が11月15日、東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催され、
バンタム級王座決定戦では石井一成選手(ウォーワンチャイプロモーション)が
黒川瑛斗選手(team VASILEUS)を判定3-0(28-26×3)で下し、
第2代K-1 WORLD GPバンタム級王者に就いた。
石井選手にとって今回が3度目のK-1王座挑戦。
ムエタイとK-1を並行して戦ってきたキャリアは評価されながらも、タイトル戦では苦杯を舐め続けてきた。
7月の復帰戦で白幡裕星に延長判定勝ちを収めて勢いを取り戻し、
ようやく巡ってきた“ラストチャンス”をものにした形だ。
一方の黒川選手は、Krush王座を返上してK-1戴冠を狙う若手筆頭。
昨年のトーナメント制覇から連勝を重ね、攻撃力の高さは階級内でも随一と評価されていた。しかしこの日は、強打を武器に主導権を取りかけながらも、詰めの局面で精度を欠いた。
試合は互いにダウンを奪い合う乱打戦となった。
2R、黒川選手がラッシュで石井をロープに追い込みダウンを奪うが、その直後に石井が左フックをカウンターで命中させ、即座に取り返す展開。
最終3R、両者の意地がぶつかり合う。
石井選手が飛びヒザの着地を狙い撃ちし、黒川選手から、残り1分を切ったところで再びダウンを奪取。
総合的な打たれ強さと、試合の潮目を逃さなかった対応力が勝敗を分けた。
勝ち名乗りを受けた石井選手は、「20年前に魔裟斗さんに憧れてK-1のベルトを巻くと決めた」と語りつつ、「誰が見ても王者だと思える勝ち方をしたかった」と冷静に自己評価も加えた。また、試合前には“勝敗に関係なく引退を考えていた”と明かしたが、「やはり自分にはこれしかない」と競技継続を宣言。今後は“王者としての内容”を問われる立場となる。
