トヨタ、9代目「ハイラックス」をタイで世界初公開 電動化戦略の象徴となるBEVモデルを初設定

2025.11.10

トヨタ自動車は11月10日、タイで新型ピックアップトラック

「ハイラックス(Hilux)」のワールドプレミアを実施した。
約10年ぶりのフルモデルチェンジとなる9代目は、

従来のディーゼルエンジンに加えて、シリーズ初となる

BEV(バッテリー電気自動車)仕様を新設定。

グローバルでの電動化推進を象徴するモデルとして注目を集めている。


■ 10年ぶりの刷新、トヨタの電動化方針を反映

今回の新型は、外観デザインを一新し、パワートレインを多様化。
「信頼性(Reliable)」「スマートさ(Smarter)」「未来への準備(Ready for the future)」の3つのキーワードを軸に開発された。

発表会に登壇したトヨタ・モーター・タイランドのアンヤラット・スティベンジャクン氏は、
「BEVモデルでもハイラックス本来の“タフさ”は失われない」と強調。
伝統のボディオンフレーム構造を維持しながら、

オフロード性能や牽引能力、積載力といった基本性能を確保したと説明した。

 

■ 世界戦略車としての転換点

1968年の初代登場以来、ハイラックスはアジア、中東、アフリカなど幅広い地域で「働くクルマ」として信頼を築いてきた。
しかし、排出ガス規制の強化やカーボンニュートラルへの要求が高まる中、ピックアップ市場にも電動化の波が押し寄せている。
トヨタが今回BEVを設定したのは、こうした環境変化に

対応するためのグローバル転換点といえる。

 

■ 日本導入は2026年 FCEV展開も視野に

日本市場では、まずディーゼルモデルが2026年中頃に発売予定。
一方、BEV版の国内投入時期は明らかにされていないが、

トヨタは「市場動向を見極めながら柔軟に検討する」としている。

さらに同社は、将来的にFCEV(燃料電池車)モデルの開発も進めており、

欧州やオセアニア地域で2028年以降の導入を計画中。