来季創設「長嶋茂雄賞」走攻守で輝き ファンを魅了した野手に贈られる栄誉
2025.11.10

巨人の象徴であり、日本野球界に計り知れない影響を残した長嶋茂雄終身名誉監督(享年89)の功績を後世に伝える新たな試みとして、来季から「長嶋茂雄賞」が創設されることが決まった。10日に開かれた日本野球機構(NPB)理事会で正式に承認された。
長嶋氏は選手時代、圧倒的な打撃力と俊敏な守備、そして華麗な走塁で日本中のファンを魅了し続けた。巨人の黄金時代を築いた立役者であり、その存在は単なる成績や記録の枠を超え、プロ野球を文化として昇華させた。今回の賞は、そうした長嶋氏の「野球を愛し、プレーで人々を魅了する精神」を具現化するものである。
新設される「長嶋茂雄賞」は、26年シーズン以降、12球団の選手の中から、公式戦およびポストシーズンで走攻守のいずれかで顕著な活躍を見せ、グラウンドで観客を魅了した野手に贈られる。選考基準や委員会の構成については、決定次第発表される予定だ。
球界関係者からは以前より創設を望む声が根強く、巨人の山口寿一オーナーも7月のオーナー会議で「長嶋さんの野球にかけた情熱を後世に伝えたい。その志を受け継ぐ賞を作りたい」と語っていた。ソフトバンクの王貞治球団会長も、「長嶋さんと共に時を過ごせたことは幸せだった。これからの世代には、大谷翔平選手のような存在と共に長嶋さんの功績を共有してほしい」と賛同の意を示している。
現在のNPBでは、選手の栄誉を称える賞として「沢村栄治賞」と「正力松太郎賞」の2つのみが存在する。これに対し、MLBでは「サイ・ヤング賞」「ハンク・アーロン賞」「ベーブ・ルース賞」など多彩な功労賞が設けられ、選手の活躍や社会貢献を幅広く讃えている。
