那須川天心 vs 井上拓真 勝つのはどちらだ? 世界王者・堤聖也が分析「拓真が勝つ。ボクシングの幅が違う」

2025.11.1

ボクシング界注目の一戦、WBC世界バンタム級王座決定戦(11月24日・トヨタアリーナ東京)で、同級1位の那須川天心選手(帝拳)と同級2位の井上拓真選手(大橋)が激突する。
Amazon「Prime Video Boxing 14」による試合配信を前に、WBA同級休養王者の堤聖也選手(角海老宝石)が、YouTubeで公開された密着ドキュメンタリー内で両者の実力差について正直な言葉で語った。

 

堤選手は2024年10月、当時WBA王者だった井上拓真選手に挑み、判定勝利で王座を奪取したばかり。その堤が冷静に分析する。

「今は『どっちが勝つ?』って普通に議論になっている。でも僕は拓真が勝つと思う。天心選手はボクシングを始めてまだ2年半。僕は12年追いかけてきて、それでも拓真に“堤じゃ勝てない”と言われていた。そんな相手に、2年ちょっとで勝てるかというと―それは現実的にすごすぎる話です」と率直な見解を述べた。

昨年の拓真戦を振り返り、堤はその完成度の高さを実感したという。
「あの試合は攻め続けるしかなかった。ボクシングの勝負をしたら勝てない。ロープ際でディフェンスに回られた時が一番困った。カウンターの精度も高く、ボディも当たらない。『こんなに当たらないのか』と驚いた」と、改めて拓真選手の防御力と対応力を称賛した。

そのうえで堤は、試合の行方をこう見通す。
「拓真が勝つと思ってます。ボクシングの幅が違う。みんな“天心の方がスピードがある”“リーチが長い”と言うけど、そんな表面的な有利不利で勝負は決まらない。井上拓真が世界チャンピオンになった理由は、そういう次元の差じゃないですから」と断言した。

日本人選手の中で井上に唯一の黒星をつけた堤は、ライバルとしての敬意も忘れない。
「個人的には、拓真に勝ってほしい。そのベルトを次は僕と争ってほしい。僕はWBCのベルトが一番欲しい」と静かに闘志を燃やした。