ボクシング亀田京之介選手、握手拒否に込めた覚悟 カシメロとの前日フェースオフで一触即発の緊張感

2025.10.25

キルギス・ビシケク―異国の地で、火花が散った。
24日午後、ショッピングモールで行われた「SAIKOU×LUSH vol.2」のフェースオフイベントで、亀田京之介選手(27=MR)が元世界3階級制覇王者ジョンリール・カシメロ(36=フィリピン)と向き合った瞬間、会場の空気が一変した。

 

カシメロが右手を差し出して握手を求める。

だが、京之介選手は無言のまま拒否。

挑発にも似た沈黙で応じた。
一瞬の張り詰めた空気の後、カシメロは拍手し、サムズアップ―笑みを浮かべながらも、その目は冷たいままだった。

「今は握手するタイミングじゃない」。
京之介選手は短くそう語り、再び前を向いた。
フェースオフの距離は、リング上での戦いそのものを象徴していた。

京之介選手は2月、メキシコで元2階級王者ルイス・ネリに7回TKO負け。

続く7月、ラスベガスでWBC世界1位アラン・ピカソに僅差判定で敗れた。
敗戦の連鎖を断ち切るため、8月には育ったMRジムへ戻り、環境を一新。

今回がジム移籍後、初戦となる。

対するカシメロは、日本での体重超過騒動を経て、約1年ぶりの復帰戦。

日本ボクシングコミッションから招聘禁止処分を受けた“問題児”が、再びリングに戻る舞台を選んだのが、興毅プロモートによるこのキルギス興行だった。

再起を懸ける者同士
握手拒否は、敵意ではなく「同じ敗者の痛みを背負う者としての意地」だったのかもしれない。

大会はABEMAで25日午後3時30分から全試合無料生配信。
注目のメインイベント、京之介vsカシメロ――静かに火がついた。

▪️戦績

亀田京之介:22戦15勝(9KO)5敗2分

ジョンリール・カシメロ:39戦34勝(23KO)4敗1分