大相撲、欧州を魅了 アニメ文化に続く“日本の象徴”34年ぶりロンドン公演に熱狂

2025.10.16

34年ぶりとなる大相撲のロンドン公演が10月15日、

ロイヤル・アルバート・ホールで開幕した。
5400席がすべて埋まり、「満員御礼」となった会場では、

大の里、豊昇龍の両横綱をはじめとする幕内力士が取組を披露。

激しくぶつかり合う巨体と、荘厳な儀式の数々に、観客は息をのんだ。

 

【©️日本相撲協会】

今や日本のアニメや漫画が欧州で高い人気を誇るように、相撲もまた日本文化を象徴する“リアルなエンターテインメント”として注目を集めている。BBCをはじめとする主要メディアが生中継を行い、SNS上でも「#SumoInLondon」のハッシュタグが拡散するなど、欧州での関心の高さがうかがえた。

 

公演が行われたのは、154年の歴史を誇る名門ホール。中央には本格的な土俵が設けられ、取組の模様が天井から吊るされた円柱形モニターにも映し出された。
日本の伝統と格式が、英国の象徴的な舞台と融合する光景は、多くの来場者に強い印象を残した。

前回のロンドン公演(1991年)で優勝した八角理事長(元横綱・北勝海)は、開会のあいさつでこう語った。
「大相撲はスポーツであると同時に、神事としての側面も持つ日本文化の粋。アニメや食文化と同じように、相撲を通じて日本の精神を感じてほしい」

取組後、力士たちも観客の熱狂に驚きを隠せなかった。
「歓声の迫力がすごい。真剣に見入る姿勢から、相撲へのリスペクトを感じた」とある力士は語り、欧州ファンの“静と動”の反応に感銘を受けた様子だった。

ロンドン在住のルース・オゴルマンさん(35)は興奮気味に話す。
「力士の迫力と儀式の美しさに圧倒された。アニメや忍者だけでなく、相撲も日本文化の魅力なんだと感じた。今日で完全にファンになったわ」

今回の海外公演は、2005年のラスベガス以来20年ぶりの開催。
チケットは1席5万円前後ながら、5日間すべて完売した。相撲がアニメ、寿司、桜と並び、“日本文化の新たな輸出品”として定着しつつあることを印象づけた。