サッカー界に激震、イスラエル代表がW杯予選から追放の可能性 国際社会の圧力とFIFAの対応に注目
国際サッカー界に大きな波紋が広がっている。
国連は現地9月23日、国際サッカー連盟(FIFA)および欧州サッカー連盟(UEFA)に対し、「パレスチナ占領地で続くジェノサイドに対処するための措置」として、イスラエル代表の国際大会からの追放を正式に要請したと発表した。
国際社会では、イスラエルによるガザ地区やヨルダン川西岸での軍事行動や民間人への被害を「国際人道法違反」と非難する声が高まっており、スポーツ界でも対応を迫られる状況となっている。
とりわけ、ウクライナ侵攻を受けてロシアをFIFAとUEFAが国際大会から排除した前例があるため、同様の措置をイスラエルに適用すべきかが焦点となっている。
英紙『The Guardian』は「UEFAは早ければ来週にもこの問題を協議する可能性がある」としつつ、FIFAに対して「ロシアと同じように、イスラエルも追放すべきだ」と強く主張。「沈黙を守ることは厚かましいえこひいきであり、パレスチナ人に対する完全な連帯を示す必要がある」と論じた。
現在、イスラエルは2026年北中米ワールドカップ欧州予選のグループIに参加中で、10月11日にはノルウェーとの試合が予定されている。
しかし、追放が現実となれば同組に与える影響は小さくない。
とりわけ、イタリア代表にとっては痛手となる可能性がある。
同組ではノルウェーが首位を走り、イタリアは勝点3差で2位につける。
逆転優勝のためには残り試合を全勝する必要があるが、得失点差で大きく劣っているのが現状だ。ノルウェーが勝点を落とすとすれば、実力的に対抗できる可能性があるのはイスラエル戦だと見られていた。
もしイスラエルが失格となれば、この「番狂わせの機会」が消えることになり、イタリアにとって、ワールドカップ出場に不利に働くとの見方がある。
イスラエル代表の扱いを巡っては、政治的・人道的観点と競技上の公平性が交錯する複雑な問題だ。スポーツと政治を分離すべきだとする声が根強い一方、国際法違反や人権侵害が指摘される国家に特別な地位を認めることは「ダブルスタンダード」につながりかねない。
FIFAとUEFAは、ロシアの事例に倣うのか、それとも異なる判断を下すのか。