『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』にジャッキー・チェンのスタントチーム参戦 MCUのアクションが新時代へ

2025.8.28

【© SONY PICTURES ENTERTAINMENT】

トム・ホランド主演によるマーベル映画『スパイダーマン』シリーズ第4弾『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』に、香港映画界の伝説であるジャッキー・チェンのスタントチームが正式参加していることが明らかになった。
アクション映画の歴史を語る上で欠かせない存在であるジャッキー・チェンが、そのチームを率いてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に関わるのは初めて。ハリウッド大作のアクション表現に新たな風を吹き込む試みとして、大きな注目を集めている。

 

▪️アジア的身体表現とMCUの融合

これまでのスパイダーマン作品は、CGとワイヤーを駆使したアクロバティックな動きが中心だった。しかし今作では、より肉体的で“地に足の着いた”アクションが導入される模様だ。ジャッキー・チェン・スタントチームは、香港映画黄金期から培ってきた「コミカルかつダイナミック」な身体表現と、リアルな接触感を伴う格闘演出で知られる。
監督を務めるのは、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を成功させたデスティン・ダニエル・クレットン。MCU初のアジア系ヒーローを描いた経験を持つ彼が、再び“東洋的アクション美学”を取り入れる姿勢を見せたことになる。

 

▪️ジャッキー・チェンの証言

ジャッキー自身も香港メディア「香港01」の取材に応じ、「ロンドンの撮影現場を訪ねて、リハーサルを見学した。監督は僕を見てとても興奮していたよ」と明かしている。さらに「僕のチームは『スパイダーマン』のアクションで多忙を極めていて、私はそのアクション監督を務めている」と語り、自身が全面的に関わっていることを強調した。
クレットン監督はかつて「『シャン・チー』続編にジャッキーが出演してくれたら最高」と発言しており、今回のコラボレーションは長年の願望が実現した形でもある。

 

▪️豪華キャストとMCU内での位置づけ

物語は、前作のように“宇宙規模の脅威”ではなく、スパイダーマンがニューヨークの街中で犯罪に立ち向かうという原点回帰的な方向性を持つとされる。これはジャッキー流の“ストリート感覚”に満ちたアクションと高い親和性を持つ。
出演陣には、MJ役のゼンデイヤ、ネッド役のジェイコブ・バタロンに加え、パニッシャー役のジョン・バーンサル、ハルク役のマーク・ラファロ、そしてヴィラン・スコーピオン役のマイケル・マンドらが名を連ねる。

さらに『ストレンジャー・シングス』のセイディー・シンクや、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のトラメル・ティルマンら新顔も参加し、

シリーズ最大規模の名優が揃う見込みだ。

 

▪️映画文化に与えるインパクト

ジャッキー・チェンはハリウッドにアジアアクションを根付かせた第一人者であり、そのスタントチームは数十年にわたり国際的な映画人材を育ててきた。今回の参加は、単なる“ゲスト的演出”を超え、映画文化における東西のアクション表現の融合という意味合いを持つ。
スパイダーマンという世界的ヒーローと、香港アクションの伝統的美学がどのように交わるのか。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は、スーパーヒーロー映画のアクションを再定義する可能性を秘めている。

公開は2026年夏。

作品そのものがMCUの新章を切り開くだけでなく、アクション映画史においても記念碑的な一作になりそうだ。