アマチュアボクサー39歳が練習後に意識不明 連盟会見で事実公表

2025.8.22

 

日本ボクシング連盟は22日、東京都内で会見を開き、

今月8日にアマチュア登録の39歳男性がジムでの練習後に意識不明となり、

急性硬膜下血腫と診断されて開頭手術を受けていたことを明らかにした。

現在も意識は戻っていないという。

 

この男性は10年以上試合から遠ざかっていたが、競技復帰を目指して練習を再開した直後に事故が起きた。事故当日は3分3ラウンドのスパーリングを終えた後で、仲間達也会長は「回復を祈っている」と述べた。

 

連盟によると、この選手は2008年にも練習後に頭痛を訴え、硬膜下血腫と診断されていた。軽症のため手術は行わず、その後の日常生活に支障はなかったものの、14年に一度だけ競技復帰していたという。

 

今回の事故は、プロボクシング界でも同様の悲劇が相次ぐ中で起きた。

今月2日には東京・後楽園ホールで試合に出場した神足茂利選手と浦川大将選手が急性硬膜下血腫で死亡しており、過去2年間でプロの試合では4人が開頭手術を受け、

そのうち3人が命を落としている。

 

日本ボクシングコミッション(JBC)と日本連盟は22日に合同医事委員会を開き、

重大事故の頻発に関する対策を協議する予定だ。

ボクシング・ジム関係者からは、「試合から長期間離れた選手の復帰や、アマチュア・プロ双方の安全管理体制には抜本的な見直しが必要だ」との声も上がる。

単なる“偶発事故”として片付けるにはあまりに痛ましい事例が続いており、

練習環境や医療チェック体制の強化は早急に指針を示さなければならない。

【文:高須基一朗】