菅野智之投手、逆境を力に変えた圧巻の快投 メジャー初年度で2ケタ勝利へ王手
2025.8.9
【©️Baltimore Orioles】
米メリーランド州ボルティモア―背番号19が、またチームを勝利へ導いた。
オリオールズの菅野智之投手(35)が8日(日本時間9日)、本拠地でのアスレチックス戦に先発登板。7回5安打1失点、4奪三振の力投でチーム最多となる9勝目をマークした。メジャー挑戦1年目で、ついに日本人投手10人目となる2ケタ勝利まであと1つに迫った。
試合は初回から菅野のリズムだった。わずか2球で2アウトを奪い、3番カーツからは鋭いスイーパーで見逃し三振。直後、女房役ラッチマンの先制2ランなど打線が援護点をプレゼントすると、ベテラン右腕はそのリードを決して手放さなかった。
3回には無死一、二塁のピンチを併殺で切り抜け、カーツを再び見逃し三振に仕留める。5回に犠飛で1点を失ったものの、6回、7回と要所で相手の勢いを断ち切る投球は圧巻。7回2死一塁では投手コーチと短く言葉を交わし、落ち着いた表情でコルテスを二ゴロに打ち取った。最速151.9キロを計測し、衰えを知らぬ直球も健在だった。
7月末にはトレード候補として名前が挙がったが、残留を勝ち取った菅野。試合後、「流れのままに過ごしている感じ。ローテーションを守り、最後まで投げ切りたい」と静かに語った。その言葉の裏には、エースとしての責任と覚悟がにじむ。