米国UFC参戦中の平良達郎選手、数々のアクシデントを乗り越えパク・ヒョンソンに一本勝ち 逆境の中で示した世界トップへの覚悟

2025.8.5

【©️UFC】

2025年8月3日(日本時間)、米ラスベガスで開催された『UFC Fight Night : Taira vs Park』のメインイベント、フライ級マッチにて、平良達郎(25=THE BLACK BELT JAPAN)が韓国のパク・ヒョンソンに2R 一本勝ちを収めた。注目の一戦は、試合内容のみならず、その舞台裏に潜んでいた数々の困難によって、平良の競技者としての覚悟と真価を改めて浮き彫りにするものとなった。

 

▪️対戦相手の急遽変更、それでも揺るがなかった準備の精度

平良は当初、フライ級ランキング4位のアミル・アルバジとの対戦が予定されていた。しかしアルバジの負傷欠場により、直前でカードは変更され、RTUシーズン1優勝のパク・ヒョンソンとの対戦が決定。この突発的な変更にも関わらず、平良は冷静かつ緻密な対応力で試合に臨んだ。

試合は1Rから主導権を掌握。右ストレートでダウンを奪い、グラウンドではパクを圧倒。2Rにはテイクダウンからバックを奪取し、フェイスクランクによって一本勝ちを収めた。想定外の相手に対しても、その完成度の高い試合運びは、世界タイトル戦線に名乗りを上げるにふさわしいものだった。

 

▪️ビザ遅延、高熱、眼の負傷…試練のファイトキャンプ

一方で、平良のセコンドを務めた元修斗世界王者・岡田遼のSNS投稿によって、試合までの過程が決して平坦ではなかったことが明らかになっている。

投稿によれば、平良はビザの発給が遅れたことでファイトキャンプ入りが予定より遅延。現地到着後も高熱で数日間トレーニングができず、ようやく再開した矢先には練習中のアイポークにより目を負傷し、病院に搬送される事態に見舞われた。

これらのアクシデントは、選手生命に直結しかねない深刻なものだった。しかし平良は一切の言い訳を口にせず、静かに準備を継続。直前での対戦相手変更にも即座に対応し、結果として圧巻の勝利を収めた。

 

▪️次戦はランカー戦線へ 本格的な世界タイトル争いへ前進

今回の勝利により、平良はUFCフライ級におけるポジションを再び強く印象付けた。ランキング上位との対戦が流れたとはいえ、逆境を乗り越えたパフォーマンスは評価に値する。次戦では再びトップ5選手とのマッチアップが濃厚であり、タイトル戦線への進出は時間の問題と見られている。