「最高の時間だった」大谷翔平選手が語る“渋いヒット”と仲間たちとの時間。
2025.7.16
満足感に満ちた球宴の舞台裏
【©️Los Angeles Dodgers】
7月15日(日本時間16日)、米アトランタで行われたMLBオールスターゲーム。5度目の出場を果たしたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は、2打数1安打の結果に終わったが、打席内容以上に、表情と言葉が彼の充実ぶりを物語っていた。
「家族と来られたこと、そしてチームメートとこの場を共有できたことが本当に特別でした」。
試合後のインタビューでそう語った大谷の顔には、自然な笑みが浮かんでいた。
初回、対戦を避けたいと明かしていた左腕スクバルとの対戦。追い込まれながらも右手一本で運んだ“渋いヒット”は、大谷らしい柔軟な対応力と打撃技術の高さを感じさせた。「三振かホームラン、そんな気持ちで打席に入りましたが、結果はああいう形に。むしろよかったな、と思っています」。そう話す大谷の言葉からは、内容の濃い一打に対する手応えと満足感がにじんでいた。
第2打席ではフルスイングでライトポール際へ大飛球を放ち、惜しくもファウル。それでも、技術とパワーを兼ね備えた彼のプレーは、球場を沸かせるには十分だった。
さらに大谷は「いろんな選手と話せたのが一番楽しかった」と振り返る。「画面越しでしか見てこなかった選手たちと実際に接して、その人となりを知ることができた。すごくいい時間だった」。プレーはもちろん、野球を通じた人との出会いに深い満足を感じていたようだ。
試合はナ・リーグが延長のホームラン競争で劇的勝利を収めるという歴史的展開となったが、大谷にとっては勝敗以上に“過ごした時間の質”が印象深い夜となったようだ。
「今日は、とてもいい日でした」。
そう締めくくった大谷の言葉には、結果以上の価値があった。