バドミントン「シダマツ」ペア、世界選手権でラストマッチへ パリ銅メダルの名コンビが約10年の軌跡に幕

2025.7.9

2025年7月8日、バドミントン女子ダブルス界をけん引してきた「シダマツ」ペアが、来月開催される世界選手権(フランス)を最後にペアを解消することを発表した。
会見は、両選手の所属する再春館製薬所の拠点がある熊本県益城町で行われた。

 

「シダマツ」こと志田千陽(ちあき・27)と松山奈未(なみ・26)は、ともに熊本県出身。中学時代から全国大会で頭角を現し、高校卒業後は再春館製薬所でタッグを組んだ。以降、国内外で実績を積み上げ、2024年のパリ五輪で日本女子ダブルスとして唯一の表彰台に上がるなど、日本を代表するダブルスコンビへと成長を遂げた。

会見で松山は、「パリ五輪では悔しさも残ったが、どこかで納得している自分もいた。これ以上強くなる自分を想像できなかった」と胸中を吐露。「最強で最高のパートナーに出会えた私は本当に幸せだった」と、涙をこらえながら語った。

一方、志田は「一緒に戦ってきた約10年間は、私にとって宝物。この10年のすべてをかけて、最後の大会を最高の形で締めくくりたい」と語り、世界選手権へ向けて決意を新たにした。

「シダマツ」は、志田の俊敏なフットワークと、松山の強打を軸に、スピード感とパワーを兼ね備えた攻撃的なプレースタイルで知られ、2022年には全英オープン優勝、2024年パリ五輪では初出場ながら銅メダルを獲得。日本女子バドミントン界の新たな象徴として注目されてきた。

今後については、志田が混合ダブルスで2大会連続五輪銅メダルに輝いた五十嵐有紗(旧姓・東野有紗)と新ペアを結成する予定であることが明かされた。一方の松山もダブルスで競技を継続する意向を示しているが、詳細なパートナーについては未定だという。