ボクシング武居由樹選手がTKO勝利後に那須川天心を名指ししなかった真意とは!?
ボクシング世界王者の武居由樹選手、衝撃TKO勝利後に
那須川天心を名指ししなかった真意と、次なるベルトへの決意
【武居由樹選手公式Instagramより画像】
プロボクシングの世界戦が5月28日、横浜BUNTAIで行われ、WBO世界バンタム級王者・武居由樹選手(28=大橋)が衝撃のTKO勝利を収めた。
挑戦者ユッタポン・トンデイ(31=タイ)から初回わずか127秒で3度のダウンを奪い、圧巻の1ラウンドTKO。
超攻撃型のファイトスタイルで元K-1王者の激闘は、わずか2分7秒で幕を閉じた。
▪️「絶対にKOで勝つ」──戦前から貫かれた覚悟
試合開始から45秒、武居選手は右の軽いジャブから、左のボディを鋭く突き刺し、すかさず左の変則ショットを顎に絶妙な角度で打ち込んだ。
タイ出身のユッタポンは、元ムエタイ王者として1000戦以上のキャリアを誇るタフガイだが、この一撃には反応できず、あっけなくダウン。
立ち上がった挑戦者は足元がおぼつかないまま反撃を試みるも、再び左を浴びて2度目のダウン。
さらに攻撃の手を緩めずに左ストレートでコーナーまで吹き飛ばされ、レフェリーが割って入り試合を止めた。
武居選手は、
「1回目のダウンで効いているのが分かった。このラウンドで倒し切るつもりだった。レフェリーが止めると思ったけど、来なかったので“もらいながらでも倒す”と腹を括った」
その姿には、陣営から求められていた超攻撃型ファイトスタイルの陣営の戦略が明確に出ていた。
▪️超攻撃型ファイトスタイルを選択した背景
武居は昨年5月、東京ドームでWBO王座をジェイソン・モロニー(豪州)から奪取。しかし試合終盤にはグロッキー寸前まで追い込まれ、
続く初防衛戦でも比嘉大吾にダウンを奪われるなど、
圧倒的な勝利とは言えなかった。
その姿に、大橋秀行会長は「守りに入っている」と苦言を呈し、
八重樫東トレーナーも「武居由樹らしさを」と檄を飛ばしていた。
今回のTKO勝利は、そんな陣営の期待に応えたものであり、
試合後のコメントにもその覚悟がにじんでいた。
「もう1本ベルトが欲しい」
そう語る武居は、ファンやメディアが注目していた那須川天心の名前を、あえて出さなかった。その理由を問われると、「彼はまだ世界のベルトを持っていないから」と冷静に答えた。
▪️対戦熱望─WBA休養王者・堤が名乗り
一方、リングサイドにはWBA世界バンタム級休養王者・堤聖也(29=角海老宝石)が姿を見せ、笑顔でファイティングポーズを取りながら、武居との2団体統一戦をアピール。現実的な対戦相手として、堤との統一戦も選択肢としては可能性は高い。
武居は、次戦として9月14日に名古屋で開催される井上尚弥 vs ムロジョン・アフマダリエフの4団体統一戦のアンダーカードで、WBO1位のクリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合に臨む予定だ。
▪️“元K-1王者”の肩書から、“世界を統べる拳”へ
今回の試合は、かつてK-1で活躍した武居が、世界王者としての打撃の強さと王者として迎え撃つ風格を見せた重要な一戦となった。
元ムエタイ王者との対決を127秒で終わらせたことで、ほぼダメージゼロで次なる戦いへ挑めるのも大きなポイント。
WBO王者としての存在感を見せつけた武居が、次に狙うベルトの発表が待たれる。