テニス全仏オープンで大坂なおみ選手が涙と自責の会見退席
「ここで一体・・・何をしているの!」悔しさあらわに
【©️Getty Images 】
全仏オープン第2日(26日、パリ・ローランギャロス)——
女子シングルス1回戦で、4大大会4度の優勝経験を持つ世界ランキング49位の大坂なおみ(フリー)が、スペインの第10シード、パウラ・バドサに7-6(1)、1-6、4-6のフルセットで惜敗。2時間21分に及ぶ激闘の末、初戦敗退という結果に終わった。
これにより、日本女子選手による全仏オープンでの「トップ10撃破」は、2010年に伊達公子が当時世界9位のサフィナ(ロシア)を破って以来、実現には至らなかった。
▪️涙を浮かべた悔恨の会見
試合後の記者会見では、感情を抑えきれない大坂の姿があった。
「周りの人を悲しませることが本当に嫌い。特に、(コーチの)ムラトグルは世界最高の選手たちと共にやってきた人なのに…」と語った彼女は、自身に対する強い苛立ちから「ここで一体、何をしているの!」と自責の言葉を漏らした。
声を震わせ、英語で思わず“汚い言葉”を吐いてしまう場面も。見かねた大会広報スタッフが会見の一時中断を提案し、大坂は約2分間、会場を退席。戻ってきた後も涙を浮かべながら、記者たちの質問に懸命に答えた。
▪️赤土への手応えと“マメ”との闘い
今大会に向け、大坂は例年以上に赤土のクレーコートでの手応えを感じていた。
5月上旬、ツアー下部のWTA125大会「L’Open 35 de Saint-Malo」で自身初となるクレー大会優勝を飾り、続くイタリア国際でも16強入りと順調なステップを踏んでいた。復帰後の成長と順応を実感し、今回の全仏にも自信を持って臨んでいた。
しかし、第1セット終了後、右手薬指にマメの治療を受ける場面があった。「ローマ以降、手にマメができやすくなった。赤土特有の摩擦によるものだと思う」と説明。これが徐々にプレーに影響を及ぼした可能性もある。
▪️「1回戦で負けるなんて思っていなかった」—それでも前を向く
試合を振り返り、「1回戦で負けるとは思っていなかった」と素直に胸の内を明かした大坂。それでも最後には、「今日の試合で学んだことを、次の試合に生かしていきたい」と前向きな言葉を残した。
母として、そしてアスリートとしての二重の挑戦に身を置く大坂なおみ。悔しさと涙の先に、さらなる成長と進化を誓う姿は、多くのファンの心に深く響いた。