なぜ大谷翔平選手は「満足」を知らないのか!? 米メディアが読み解く“終わらない向上心”とベーブ・ルース超えの正体

2026.1.28

【©️Los Angeles Dodgers 】

「もう、証明すべきことは残っていないのではないか」
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(31)を語るとき、そんな問いが投げかけられるのは不思議なことではない。

ワールドシリーズ制覇2度、MVP4回、WBC世界一。
現代野球において到達し得る栄冠を、彼はすでにほぼすべて手にしている。

それでも大谷選手は、歩みを止めない。
むしろ、到達点に近づくほど、さらなる高みを見据えているようにすら見える。

この“満足しない才能”の正体を、米メディアが静かに、しかし鋭く分析している。


 

▪️「成功はゴールではなく、燃料にすぎない」

発端となったのは、全米野球記者協会(BBWAA)ニューヨーク支部のアワードディナーで行われた大谷のスピーチだった。
その内容を受け、ドジャース専門ポッドキャスト『ドジャース・テリトリー』は、ある率直なテーマを掲げた。

―大谷翔平選手は、これ以上の成功に“飽きる”ことはないのか。

この問いに即座に否定の答えを出したのが、同支部所属の名物記者クリント・パシラス氏だ。

「彼にとって成功は、終着点ではない。次へ進むための“燃料”にすぎない」

栄光が人を満たすのではなく、さらに前へ押し出す。
その思考回路こそが、大谷翔平選手の特異性だという。

 

▪️「ユニコーン」の次にあるもの

大谷選手は長らく「二刀流=ユニコーン」と米国で称されてきた。
投打を高次元で両立する存在は、野球史において例がないからだ。

だがパシラス氏は、その枠組みすらも、大谷にとっては通過点に過ぎないと見る。

「ユニコーン、GOAT(史上最高)、超一流……考え得る称号はすでにすべて与えられている。しかし彼自身は、“史上最高の一人”では満足しない」

そこで浮かび上がるのが、避けて通れない名前だ。

ベーブ・ルース。

それは大谷翔平選手に対する最大級の賛辞であると同時に、常につきまとう比較でもある。だがパシラス氏は、こう踏み込む。

「彼は、この比較そのものに終止符を打ちたいのではないか」

つまり、誰かの“再来”ではなく、
唯一無二の存在として、歴史を書き換える側に立ちたい。

ベーブ・ルースと並ぶことではなく、
「大谷翔平」という新しい基準を打ち立てること。
そこに、彼の視線は向いているというのだ。

 

▪️「優勝リングを10個欲しい」という言葉の本気度

大谷選手がドジャースと10年契約を結んだ際、「優勝リングを10個欲しい」と語ったことはよく知られている。
一見すれば、スター選手らしい大胆なリップサービスにも聞こえる。

しかし現実はどうか。
加入後わずか2年で、2度のワールドシリーズ制覇。

「今のところ、2回中2回。完璧なペースだ」

そう評価したパシラス氏は、大谷の本質をこう言語化する。

「彼が本当に欲しているのは、数字やトロフィーではない。チームメートやファンからの敬意、そして引退の瞬間に『すべてを出し切った』『自分はこの競技で最高だった』と胸を張れる確信だ」

番組司会のアラナ・リゾ氏も、この見方に同調する。

「攻守両面で彼と同じことができる選手が現れない限り、彼はこのスポーツで最高の存在。さらに彼を上回る選手が出てこない限り、ナ・リーグMVPであり続ける」

もはや大谷選手の戦いは、他者との競争ではない。
自分自身、そして野球という競技の歴史そのものとの対話だ。