豪Aリーグ元サッカー選手がスポーツ賭博不正で有罪「競技の信頼を裏切る行為」と裁判所
【画像提供A-league Transfers/Western United Football Club】
オーストラリアのプロサッカーリーグ、Aリーグの試合中にスポーツ賭博に関わる不正行為を行ったとして起訴された元ウェスタン・ユナイテッド(メルボルン)選手 檀崎竜孔被告(25)の判決公判が22日、メルボルン裁判所で開かれ、裁判所は5,000豪ドル(約48万円)の罰金刑を言い渡した。
▪️故意の警告で賭博利益を取得
裁判では、檀崎被告が友人で元サッカー選手の平山勇太被告(27)と共謀し、
試合中に意図的にイエローカードを受ける行為を行ったことが明らかにされた。
二人はこの行為を通じてオンラインのスポーツ賭博市場で不正に利益を得る計画を立て、4~5月の3試合で総額約1万6,000豪ドル(約150万円)を獲得。
払戻金の7割を檀崎被告が受け取ることで合意していたとされる。
オーストラリアでは、Criminal Code Act 1995(連邦刑法)や各州の賭博法により、試合結果を操作する行為や賭博に関わる共謀は犯罪とされている。
特に、スポーツ賭博に関連する「試合操作行為(match-fixing)」や「不正利益の取得」は、最大で懲役刑や高額の罰金が科される可能性がある。
この事件は、合法的な賭博市場の信頼性を直接侵害したとして、法廷でも重く受け止められた。
▪️判事の指摘と裁判所の判断
判決理由で判事は、「競技スポーツの精神を侵害し、選手同士が共に全力を尽くすという理想と信頼を裏切った行為」と非難。また、「合法的に運営される賭け市場の公正性を損なった」と指摘した。一方で、両被告が捜査初期段階で罪を認めたことを考慮し、罰金刑5,000豪ドルが相当と判断された。
両被告は黒いスーツ姿で入廷し、判事の言葉に黙って耳を傾ける姿が見られた。Aリーグ関係者や賭博業界関係者にとっても、今回の判決はスポーツ賭博と試合操作に対する法的抑止力を示す事例となり、再発を日本人選手が起こす事のないように願うばかりだ。