卓球女子シングルス 早田ひな選手が勝利 張本美和戦のメディカルタイムアウトを巡る議論 大会主催者が見解示す

2025.8.10

【©️テレビ東京】

2025年8月9日、横浜BUNTAIで開催された卓球のWTTチャンピオンズ横浜女子シングルス2回戦で、世界ランキング6位の張本美和選手(木下グループ)が13位の早田ひな選手(日本生命)に2-3のフルゲームで惜敗した。

 

試合の最終ゲーム(第5ゲーム)で、早田が4-2でリードしていた局面で約5分間のメディカルタイムアウト(以下、MTO)が取られたことが注目を集めた。MTO終了後に試合の流れが変わり、早田が競り負けたことから、試合後に張本が取材エリアで涙を見せつつ、MTOの扱いに対して疑問を口にした。

大会主催 WTT担当者は新聞媒体からの取材に対し、

この一連の経緯について以下のように説明している。

張本は「メディカルタイムアウト自体は選手双方に認められた権利であり、異論はない」と前置きしつつも、「試合中に審判からの説明がほとんどなく、なぜMTOが取られたのか不透明だった。審判長に質問しても納得のいく回答は得られなかった」と話した。

さらに、「MTOの間に治療を行ったのは大会の医療スタッフではなく、相手選手のコーチでもある方だった。試合中にアドバイスが行われる可能性もあり、その点について非常に疑問に感じていた」と述べている。

WTTの公式ルールによれば、MTOは選手が外見上プレー継続が困難な状態(例えば肉離れや出血)を訴えた場合に認められる。今回は早田が左腕付近の痛みを訴えたが、外観上の異常は確認できなかったため、WTTの医師とフィジカル担当者が早田本人からヒアリングを行い、治療の必要性を判断した上でMTOを承認した。

MTOは最大3分(基本2分+延長1分)までが規定されているが、治療開始後は最大5分間の時間が認められている。今回の早田の症状は、約2か月前から続く尺骨神経の圧迫による左手のしびれとされ、大会運営側がヒアリングの結果、治療の必要性を認めた。

試合当日は両選手とも日本人同士の対決であったため、公式ベンチコーチは帯同していなかったが、女子日本代表のスタッフであり、1回戦では早田のベンチコーチを務めた岡雄介トレーナーがベンチの外から治療に当たった。

WTTのルール上、MTO時の治療担当者の規定は特に定められておらず、岡トレーナーが試合中に駆け寄ったことも明確なルール違反とはされていない。

大会側は、心配したチーム関係者の行動と認識している。

また、今回の中断はMTOとメディカルブレイク(治療前の状態確認時間)を合わせて約8分間に及んだが、これは規定内の対応であった。

張本選手は中断直後、自らのベンチで一人、ジャージーを羽織りながら、体を冷やさずに再開を待ったという。

大会運営側は、選手のプライバシー保護の観点から怪我の詳細は相手選手に伝えないが、MTO開始時には場内アナウンスを行い、張本選手にも伝達したと説明している。