NBA河村勇輝選手、“サマーリーグTOPアシスト独占”も課題は山積 NBA定着へはプレー精度と守備対応に焦点

2025.7.23

【©️Chicago Bulls 】

NBAサマーリーグでプレーした河村勇輝が注目を集めている。現地時間7月22日、NBA公式が選出した「2025サマーリーグ・トップ10アシスト」において、河村が1位から3位までを独占したことが話題となった。

 

この結果だけを見れば、華麗なパスセンスでリーグを魅了したかのような印象を受けるが、実際の評価には慎重さも求められる。

1位に選ばれたのは、サクラメント・キングス戦での“股抜きパス”によるアシスト。オフェンス時の視野とタイミングは確かに見事だった。しかし、それがチーム全体の流れや勝敗にどれだけ寄与したかという視点で見れば、個人技としての印象が強く、システムへの適応や継続的な貢献という面では今後の課題も浮かび上がる。

2位と3位に入ったバックス戦でのアシストも同様だ。

巧みなドライブからのキックアウト、インサイドへの鋭いパスはいずれも高く評価されたが、いずれも第4クォーターのプレーであり、いわゆる“ガベージタイム”(試合の勝敗がほぼ決まった後の時間帯)でのパフォーマンスとも受け取れる。

実際、河村の起用時間は主に試合終盤であり、コアローテーション入りとは言い難い。スター候補選手たちがプレータイムを競う中、2WAY契約である彼がNBAレギュラーシーズンにどこまで食い込めるかは、今後の守備でのサイズ感の弱みをどうやって補い、フィジカル面での対応力や安定感にかかっている。

なお、同日にブルズの公式Xアカウントも“チーム内TOPアシスト”動画を公開し、こちらでも河村の股抜きパスが1位に選ばれている。

チームとしても一定のプロモーション要素を加味している可能性はある。

NBAで2年目を迎える河村選手にとって、今回のハイライトは確かにポジティブな材料だが、「魅せるプレー」だけではなく、実戦で信頼される“起点”としての役割を確立できるかが鍵となる。