【©️Chicago Bulls,】

ブルズに帯同する河村勇輝が、ついにその存在価値を証明した。現地14日に行われたペイサーズ戦で、15得点10アシスト3スティールを記録する圧巻のパフォーマンス。

28分間の出場でチームの勝利を呼び込み、「本契約」への現実的な一歩を踏み出した。

この日もベンチスタートとなったが、第1クォーター残り5分半で投入されると、最初のディフェンスで相手のドライブを止める好対応。バックコートバイオレーションを誘発し、流れを変える一手となった。そこからチームの攻守に一気にスイッチが入り、河村の投入が“試合の流れを動かすカード”であることが明らかになった。

スピードと冷静な判断力を兼ね備えた河村のプレーは、NBAの舞台でも、もはや異質ではない。巧みなゲームメイクに加え、ステップバックや緩急を入れたプルアップといった個の技術でも得点を重ね、観客を沸かせた。

なかでも、ファウルを受けながらもバスケット・カウントを沈めた第1Q終盤のプレーは、河村の“勝負強さ”を象徴するシーンだった。

第2Qからはプレーメーカーとしての役割を全うし、第3Qには遂にスタートから起用されるなど、チーム内での評価は明らかに変わりつつある。終盤も6分半を残して再投入され、リードを守り切る任務を完遂。第4Q終盤にコートに立ち続けたことは、「信頼の証」と言っていい。

アジア出身の選手がNBAのロスター入りを勝ち取ることは並大抵のことではないが、彼のここ数試合の出来を見れば、「次はブルズの正規ロスターへ」という声が現実味を帯びてくる。