NBAデビン・ブッカー選手、史上最高年俸でサンズと再契約 “忠誠”を貫いた28歳の覚悟とは?
【©️Phoenix Suns】
NBAを代表するスコアラーの1人、デビン・ブッカーが、再びフェニックス・サンズとともに歩む決断を下した。『The Athletic』など複数の米報道によると、ブッカーはサンズと2年総額1億4500万ドル(約211億円)の契約延長に合意。
年俸ベースでの契約額はリーグ史上最高額に達するという。
2015年のNBAドラフトで全体13位指名を受けて以降、一貫してサンズのユニフォームに袖を通してきたブッカー。華々しい移籍劇が横行する今のNBAにおいて、10年間同一チームでプレーし続ける選手はわずか5人。その一角を担う28歳のガードが、再び忠誠を誓った形だ。
▪️「スーパーチーム時代」に背を向けたブッカーの決断
近年のNBAはスター選手の移籍が常態化しており、“スーパーチーム”の形成が優勝への近道とされてきた。しかし、ブッカーはその潮流に身を任せることなく、自身が育ったチームに残る道を選んだ。2022年に交わした5年3億1600万ドルの契約に加え、今回の延長によって2029-30シーズンまでサンズに在籍することが確定した。
決して順風満帆だったわけではない。加入当初のサンズは長らく下位に低迷し、プレーオフとは無縁のシーズンも多かった。それでも地道に成長を遂げ、2021年にはチームを28年ぶりのNBAファイナルへ導いた。ブッカー自身もオールスター選出や五輪代表選出を経て、いまやリーグを代表する得点源に成長している。
▪️チームは苦境、未来はブッカーの双肩に
一方で、チーム状況は決して楽観できるものではない。昨シーズンはケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールという大物を獲得するも36勝46敗と大きく負け越し。プレーオフ連続出場も途絶え、“優勝候補”という看板に見合う成果を出せずに終わった。
それでもブッカーは離れない。チームの顔として、リーダーとして、再起を誓うかのような今回の契約。サンズは来季以降もサラリーキャップ上限ギリギリの構成となるが、それでもブッカーを中心にチームを再編し、悲願の初優勝を狙う方針は揺るがない。
“マイフランチャイズ”に対する誇りを胸に、ブッカーは静かに牙を研いでいる。今後のキャリアのすべてをサンズに捧げる覚悟をにじませる今回の超大型契約は、金額以上に彼の意志の強さを物語っている。