MLB山本由伸投手が圧巻の無失点ピッチングも・・・勝ち星を逃す 打線沈黙、ドジャースは劇的サヨナラ負け
©️Los Angeles Dodgers,
ドジャースの山本由伸が7日(日本時間8日)、敵地で行われたカージナルス戦に先発登板し、6回を4安打無失点、9奪三振という堂々たるピッチングを見せた。しかし、打線の沈黙が続いたチームは延長戦の末に1―2でサヨナラ負け。山本に今季7勝目はつかなかった。
▪️終始苦しみながらも“修正力”でゼロを並べる
この日の山本は、決して完璧な立ち上がりではなかった。初回、1番ヌートバーをスプリットで空振り三振に斬って取り好発進かと思われたが、後続に安打と四球を許し、いきなり一、三塁のピンチ。しかし、冷静な判断で一走を誘い出し、最終的には三本間での挟殺プレーに持ち込み、危機を脱した。
2回にも2死から連打と死球で満塁とされたが、再びヌートバーをスプリットで空振り三振。決定力のある変化球が冴えわたり、要所を締める粘投を続けた。
3回以降は修正力が光った。走者を出しながらもテンポよくアウトを積み重ね、尻上がりに調子を上げていった。6回にはこの日9個目の三振を奪い、堂々とマウンドを降りた。
▪️ヌートバーとの初対戦も制す
この日は、23年WBCでともに侍ジャパンとして世界一を勝ち取った盟友・ヌートバーとのメジャー初対戦という注目の一戦。結果は3打数1安打2三振。数字だけ見れば五分にも見えるが、ここ一番で仕留めた印象は強く、山本に軍配が上がったと言っていい。
▪️打線が沈黙、光を失った好投
だが、どれだけ力投を見せても、勝利は一人では掴めない。ドジャース打線は相手先発・マイコラスの前に得点を奪えず、延長戦に突入。最後は守護神フィリップスが痛恨の一打を浴び、勝負はカージナルスのサヨナラ勝ちに終わった。
前回登板ではヤンキース相手に4失点と苦しんだ山本だったが、この日は見事に修正。スプリットと速球を巧みに織り交ぜ、相手打線を封じ込めた。
「勝てなくても、勝たせる投球をする」。そんな気迫がにじんだ6イニングだった。勝ち星という数字には結びつかなかったが、山本の存在感はより一層チームの中で大きくなった。数字以上に、“勝てる投手”としての信頼が積み重ねられた一戦だった。