NBAプレーオフ 奮闘実らずバックス敗退 ヤニス・アデトクンボ「勝った時こそ謙虚であるべき」試合後に口論
ヤニス・アデトクンボ「勝った時こそ謙虚であるべき」試合後に口論
【©︎Milwaukee Bucks】
NBAプレーオフ1回戦第5戦、ミルウォーキー・バックスはインディアナ・ペイサーズにオーバータイムの末、惜しくも敗れ、シリーズ通算1勝4敗で姿を消すこととなった。
この試合、バックスはエースのデイミアン・リラードをアキレス腱断裂で欠きながらも、チーム一丸となってペイサーズに立ち向かった。
ヤニス・アデトクンボは攻守において圧巻のパフォーマンスを見せ、
特に前半は最大20点のビハインドを背負いながらも、粘り強く食い下がった。
しかし、ペイサーズは持ち前のハイテンポなオフェンスで応戦。終盤にはギャリー・トレントJr.の連続3ポイント、そして残り1秒にタイリース・ハリバートンが劇的なゲームウィナーを沈め、シリーズ突破を決めた。
試合後、コート上では一触即発の緊張が走った。健闘を称え合う中でアデトクンボは、ペイサーズの若手ベネディクト・マサリンとの間で口論に発展。さらに、ハリバートンの父親とされる男性とも言い争う場面が目撃された。
▪️ヤニス・アデトクンボは試合後の会見で冷静に語った。
「勝った時こそ謙虚であるべきだ。勝利は、人に対して失礼な態度を取っていい免罪符ではない」
彼は、ハリ・バートンの父を当初ファンの1人だと思っていたというが、敗戦直後の挑発的な言動を「非常に失礼だった」と厳しく非難した。
「僕の父は、何もないところからスタートして、路上で物を売って生計を立てていた。警察に捕まって国外退去させられることを恐れながら、僕ら家族を守ってくれた。そんな父から“謙虚さ”という大切な価値観を学んだ。でも、NBAにはその謙虚さを知らない親たちもいる」
そう語ったヤニスは、少しだけ微笑を浮かべながら、こう続けた。
「こんなことを言っておいて、20年後には僕自身が息子の試合でコートに出てきているかもしれない。きっと誰かに『昔こんなこと言ってたのに』って突っ込まれるだろうね。まあ、それはその時に考えるさ」
一方で、ハリ・バートンは試合後の騒動について知らされると、
父親の行動を「正しくなかった」と非を認めた。
「父とは話した。彼は僕のゲームウィナーに興奮して、思わずコートに出てきてしまった。でも、試合で起きたことは試合の中で完結すべきで、それを超えてはいけない。ヤニスにも後で説明するつもりだ」
選手たちの熱い思いと、勝敗がもたらす心の揺らぎが交錯する、まさにプレーオフらしい一幕だった。