「RIZINの戦略にUFCがハマっている」榊原信行CEOが大晦日総括 10年の歩みに確かな手応え―揺るがぬ哲学と“挑戦を許す場”としての覚悟
【©️RIZIN FF】
12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された
『Yogibo presents RIZIN 師走の超強者祭り』。
大会終了後、RIZINの榊原信行CEOが恒例の大会総括に臨み、
10年にわたるRIZINの歩みと、その先に見据える未来像を力強く語った。
総括の冒頭、榊原CEOはメインイベントとなった朝倉未来vsシェイドゥラエフ戦に言及。PRIDE、そしてRIZINと、長年プロモーターとして格闘技と向き合ってきた自身の経験を振り返りながら、
「完結したと思える瞬間は、実は一度もない。常に“To be Continued”なんです」
と静かに語った。
もし朝倉未来が3度目の挑戦でベルトを巻いていたなら―。
RIZIN10年の歴史がひとつの“作品”として完結していた可能性すらあったとしつつも、「そう簡単にはいかない。それが格闘技であり、人生」と言い切る姿勢には、
数々の成功と挫折を見てきた者だけが持つ重みがにじむ。
敗戦に肩を落とすファンに向けては、「最悪の年末だと思った人もいるかもしれない。それでも明日は来る」と語り、「すべての思いを背負って一歩前に出た朝倉未来の生き様を見て、前を向いてほしい」と、勝敗を超えた“挑戦の価値”を強調した。
試合のレフェリーストップに関しても、感情論に流されることなく、タイトルマッチとしての重み、選手の安全、そして現場で判断を下すレフェリーへの信頼を丁寧に説明。「簡単な答えはないが、あの場では最善の判断だった」と語る姿は、プロモーターとしての責任感そのものだった。
ライト級王座戦については、長らく動かなかったベルトがついに動いたことを「大きな転換点」と表現。
サトシとノジモフの双方への敬意を忘れず、「誰とでも戦う」という王者サトシの覚悟があったからこそ成立したカードだと明かした。
2026年に向けたライト級戦線についても、「新たな局面が必ず訪れる」と力強く展望した。
女子スーパーアトム級では、RIZIN黎明期を支えたRENAの存在感と、絶対王者・伊澤星花の圧倒的な強さを改めて称賛。
「RIZINでパウンド・フォー・パウンド世界一は伊澤」と断言し、「世界中から強豪を集め、女子格闘技の魅力が爆発する舞台を作っていきたい」と語る言葉には、RIZINが女子格闘技の“世界基準”であり続けるという自負が表れていた。
さらに話題は、扇久保博正のフライ級王座戴冠、そしてUFCで活躍するRIZIN出身選手へと及ぶ。
「RIZINの戦略に、まんまとUFCがハマってますね(笑)」
冗談交じりにそう語りながらも、その言葉の裏には明確な哲学がある。
「選手を契約で縛り、塩漬けにするのは最低な行為。RIZINでやることをやり切った先に、UFCという目標があるなら、それを認めたい」。
選手の自由と成長を最優先に考える姿勢は、10年間一貫して変わらないRIZINのスタンスだ。
そして終盤、リングかケージかという議論に対して、榊原CEOは一歩も引かなかった。
「榊原がボケてるって言う人もいるかもしれない。でも、ケージの団体は他にいくらでもある。ONEでもUFCでもPFLでも見ればいい」。
そう言い切った上で、「自分はリングという舞台でMMAを見せることに、アイデンティティとこだわりを持っている」と断言した。
流行や外野の声に迎合することなく、RIZINが信じる“格闘技の形”を貫く。
その覚悟と自信こそが、10年続いた理由であり、
次の10年へとつながる原動力なのだろう。

