それでも井岡一翔選手は前を向いた!! 9位vs11位で世界への切符? 物議醸すWBA挑戦者決定戦!

2025.12.30

 

世界タイトル挑戦への“入口”は、本当に公平なのか!?
ボクシング界の統括団体WBAを巡る根深い疑問が、またも浮き彫りになった。

31日に東京・大田区総合体育館で行われるダブルWBA挑戦者決定戦を前に、30日、東京都内で前日計量が実施された。注目を集めたバンタム級挑戦者決定戦では、ランキング9位の井岡一翔(36=志成)が53.5キロ、11位のマイケル・オルドスゴイッティ(24=ベネズエラ)が53.3キロで、ともに計量をクリアした。


 

だが、この一戦は試合内容以前に、

「なぜ!? 9位と11位なのか!?」という点で批判の声が上がっている。

上位ランカーが存在する中で組まれた“挑戦者決定戦”は、ランキング制度そのものへの不信感を呼び起こした。

これに対し、会見に出席したWBAのホセ・オリバー・ゴメス・ゼネラルアドバイザーは、「ランキングにかかわらず、挑戦者決定戦の組み合わせはWBAの委員会が決めること。勝者に指名挑戦権を与えるかどうかも、同様に委員会で判断する」と説明。明確な基準には踏み込まず、あくまで“決定権は委員会にある”という立場を強調した。

一方で、リングに立つ当事者である井岡選手は、そうした議論から距離を置くかのように静かに闘志を燃やす。
今回がバンタム級転向初戦。勝てば、日本ボクシング史上初となる世界5階級制覇へ王手がかかる重要な一戦だ。

「バンタム級で成長を求めて、この日までやってきた。伸びしろをすごく感じているし、ここまで続けてきて、こういう気持ちになれているのもうれしい。5階級に挑めるチャンスをくれたWBAには感謝している」

そう語る言葉には、キャリア終盤に差しかかった王者の覚悟がにじむ。階級アップへの不安を問われても、「これまでのボクシングにパワーを加えれば、十分に戦えるところを見せたい」と自信を隠さなかった。

対するオルドスゴイッティは15勝(14KO)1敗と高いKO率を誇る危険な存在。「井岡は勇敢な選手だが、この階級はあなたの階級ではない」と挑発的な言葉を残し、波乱を予感させた。

なお、セミファイナルで行われるライトフライ級挑戦者決定戦では、

2位の吉良大弥(22=志成)が48.8キロ、

7位のイバン・ガルシア(24=メキシコ)が48.4キロで計量を終えている。

 

ランキングの“理不尽さ”が再び問われる中、それでも試合はゴングを待つのみ。
制度への疑問と、選手の覚悟。その交差点に立つ井岡一翔は、結果で全てを黙らせることができるのか。リングが、その答えを示す。