松田聖子さんが5年ぶり紅白で登場「青い珊瑚礁」がつなぐ45年の軌跡と次世代への継承
国民的歌手・松田聖子さんが、大みそか恒例の『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか、午後7時20分)に5年ぶりに帰ってくる。NHKは28日、松田が特別企画として出演し、番組の最後を飾る大トリで代表曲「青い珊瑚礁」を披露すると発表した。
今年はNHK放送100年、そして松田聖子さん自身にとってはデビュー45周年という節目の年。その記念すべき紅白のフィナーレを託された形だ。
紅組・白組の対戦がすべて終了した後、NHKホールのステージに立ち、紅白全体を締めくくる。
「青い珊瑚礁」は、1980年のデビュー期を象徴する楽曲であり、松田聖子さんが紅白初出場を果たした当時の記憶とも重なる一曲だ。
本人も今回の出演にあたり、「私にとって初出場時の大切な原点」とコメントしており、紅白という舞台そのものと重なる存在感をあらためて印象づける。
今回の特別企画枠では、これまでに星野源さん、玉置浩二さん、松任谷由実さん、矢沢永吉さんと、日本の音楽史を代表する顔ぶれが発表されてきた。
その流れの中で松田聖子さんが加わったことは、紅白が“今年のヒット”だけでなく、“日本音楽の継承”を強く意識していることを象徴している。
注目されるのは、その支持が往年のファン層にとどまらない点だ。
「青い珊瑚礁」を希望する声が多数寄せられただけでなく、10~30代の若い世代からも「サプライズ登場だけでテンションが上がる」「世代を超えて知っている存在」といった声が目立った。
リアルタイムで楽曲を知らない世代にとっても、松田聖子さんは“過去のスター”ではなく、現在進行形のアイコンとして認識されている。
SNSや動画配信を通じて楽曲が再評価され、Z世代にも自然に浸透している点は、45年というキャリアの特異性を物語る。
紅白歌合戦は時代とともに姿を変えてきたが、その歴史の節目節目には必ず“象徴的な存在”がステージに立ってきた。
2025年の大みそか、その役割を担うのが松田聖子さんであることに、異論は少ないだろう。
「青い珊瑚礁」がNHKホールに響く瞬間は、昭和、平成、令和という三つの時代を一気に結び直す。紅白のラストを飾るその一曲は、単なる懐かしさではなく、日本の音楽が積み重ねてきた時間そのものを映し出すステージとなりそうだ。

