王者の意地、最後は経験値 鳥取城北が大逆襲を振り切り準決勝へ―北陸学院は小笠原32得点の執念届かず
【©️SoftBank ウインターカップ2025】
夏の頂点に立った王者が、薄氷を踏む思いで勝ち切った。
12月27日、東京体育館で行われた「SoftBank ウインターカップ2025」
男子準々決勝。インターハイ覇者で第1シードの
鳥取城北(鳥取)が、猛追する北陸学院(石川)を65―61で退け、
準決勝進出を決めた。
試合の主導権を握ったのは、序盤の鳥取城北だった。
開始直後から福元源士、豊村豪仁が立て続けに3ポイントを沈め、
いきなり8―0と主導権を掌握。第2クォーターも堅守が冴え、
相手をわずか6点に抑えるなど、夏の王者らしい試合運びで前半を折り返した。
だが、後半に入ると流れは一変する。
第3クォーター、北陸学院が神保旺介を軸に激しく反撃。
攻守のギアを一段引き上げ、10分間で24得点を奪って点差を急速に縮めた。
さらに最終クォーターには、2年生ガード小笠原和真が覚醒。
3ポイントを含む多彩なシュートで次々と得点を重ね、0―13のビッグランを演出。
最大22点差をひっくり返す勢いで、残り3分にはついに2点差まで迫った。
会場がどよめく中、最後に踏ん張ったのが鳥取城北の経験値だった。
昨冬準優勝を経験する豊村が、相手の流れを断ち切る貴重な2点を奪取。
その後も落ち着いたボール運びで時間を使い、王者は辛くも逃げ切った。
最終10分間は12―20と劣勢を強いられながらも、勝負どころを知る強さが光った。
鳥取城北は豊村がチーム最多15得点。
福元は4本の3ポイントを含む13得点を挙げ、
大田翔平、ハロルド・アズカも12得点で続いた。
一方の北陸学院は、小笠原が3ポイント12本中8本成功の
32得点と圧巻のパフォーマンス。
神保もベンチから12得点と奮闘したが、あと一歩届かなかった。
紙一重の攻防を制した王者は、夏冬連覇へまた一つ階段を上った。

