SGAが踏み込んだ“異次元の安定領域”100試合連続20得点―数字が示す現代NBA最強スコアラーの証明
【©️Oklahoma City Thunder】
オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)が、NBAの長い歴史の中でもごく限られた者しか足を踏み入れられなかった領域に到達した。
現地12月22日、メンフィス・グリズリーズ戦で31得点。
これによりSGAはレギュラーシーズン100試合連続20得点を達成した。
1960年代に“異星人”と称されたウィルト・チェンバレン以来、
実に61年ぶり、史上2人目の快挙だ。
翌日のスパーズ戦、そして25日のクリスマスゲームでも20点超えを積み重ね、
記録は102試合へ。今やその視線は「史上2位」ではなく、
チェンバレンが持つ126試合というNBA史上屈指の金字塔へと向かっている。
▪️得点インフレの時代でも際立つ“異常な継続性”
今季のNBAはリーグ全体で得点が増加し、オフェンシブレーティングは歴代最高水準にある。だが、その環境を考慮してもSGAの記録は色褪せない。
なぜなら….
マイケル・ジョーダン
ケビン・デュラント
カリーム・アブドゥル・ジャバー
いずれもリーグを代表するスコアラーたちが、
100試合という壁を越えられなかったからだ。
数字が示しているのは爆発力ではない。
毎晩20点を“外さない”という異様な安定性である。
▪️SGAを支える「崩れない得点構造」
彼の選択するスコアリングは、一か八かのシュート選択とは無縁だ。
・ペイントエリアでの巧みな間合い
・正確無比なミッドレンジジャンパー
・リーグ上位に位置するフリースロー獲得数と成功率
そこに今季は、自己最高となる3ポイント成功率42.5%が加わった。
ディフェンスがどこを消しても、別の選択肢が必ず残る。
これがSGAの最大の強みだ。
クリスマスゲームではFG成功率36.8%と苦しみながらも
22得点を確保した事実は、その完成度を象徴している。
▪️チェンバレン超えの「Xデー」は2月12日
このまま欠場なく出場を続ければ、2月12日のバックス戦でチェンバレンの記録に並ぶ可能性がある。
ちなみに、そのチェンバレンの記録が止まった理由はパフォーマンス低下ではない。
1963年1月20日、判定への抗議による退場。
出場4分、6得点――それが終焉だった。
SGAに同じ結末を想像するのは難しいが、相手の徹底マーク、負傷、チーム事情といった不確定要素は常につきまとう。
▪️チーム低迷の中で問われる「エースの価値」
サンダーは直近6試合で4敗。
王者として迎えた今季、初めての停滞感も漂う。
だからこそ、この記録は単なる個人の勲章では終わらない。
勝てない夜でも20点を計算できる存在。
それは、チームにとって何よりの支えであり、希望でもある。
SGAの連続記録は、数字以上に「信頼」を積み重ねている。
歴史を塗り替える瞬間は、もう目前だ。


