世界が認めた「日本の現在地」─井上尚弥選手がPFP2位浮上、中谷潤人選手も6位入り

2025.12.25

リング誌最新ランキングが示す、日本ボクシング黄金期

ボクシング界における“世界最強”の物差しが、改めて日本人王者の存在感を浮き彫りにした。
アメリカの老舗専門誌「ザ・リング」は日本時間25日、最新のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングを発表。4団体世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥が2位に浮上し、さらに前WBC・IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人も6位に名を連ねた。


 

PFPとは、全階級の選手を同一条件で比較した場合の“純粋な強さ”を測る指標。階級の壁を超えた実力評価であり、とりわけ「ザ・リング」誌が発表するランキングは、世界中のボクサーにとって名誉の象徴とされてきた。

今回のランキング改訂では、ボクシング史上初の3階級4団体統一王者として君臨してきたテレンス・クロフォードが現役引退。絶対王者不在となったPFPの頂点には、WBA・WBC・IBF世界ヘビー級統一王者で無敗を誇るオレクサンドル・ウシクが新たに1位に立った。

その直下、世界2位という評価を受けたのが井上尚弥だ。
プロ31戦全勝、27KO。数字だけを見ても圧倒的だが、それ以上に評価されているのは、階級を上げてもなお変わらない支配力と完成度の高さだ。世界最激戦区の一つであるスーパーバンタム級を完全統一し、なお進化を続ける姿は、もはや「日本最強」を超え、「時代の象徴」として語られ始めている。

さらに注目すべきは、中谷潤人の6位ランクインだ。
31戦31勝24KOという無敗の戦績を引っ提げ、スピード、リーチ、破壊力を兼ね備えたスタイルは海外評価も急上昇。軽量級において、日本人ボクサーが複数人PFP上位に名を連ねる状況は、かつて例を見ない。

井上尚弥と中谷潤人――。
世界最高峰のランキングが示したのは、個の強さだけではない。日本ボクシングが、確実に「世界基準の中心」に近づいているという事実だった。