【ボクシング】“トニー・タイム”は終わらない―元UFCファーガソンが流血の猛攻で王座奪取 歯が飛び、相手はロープ際で崩壊寸前

2025.12.24

かつてUFCのオクタゴンで狂気と創造性を体現した男が、今度はボクシングのリングで存在感を叩きつけた。
12月20日(現地時間)、UAEドバイで開催された新興イベント『Misfits Boxing』。元UFCスターのトニー・ファーガソン(米国)が、壮絶な殴り合いの末にミドル級王座を奪取した。


試合終盤、リングに転がったのはマウスピースだけではない。海外メディアによれば、激しい連打の中で相手の歯が飛び散る場面もあったという。ロープ際へ追い込まれた挑戦者は足を震わせ、誰の目にもKO寸前の状態だった。

ファーガソンの相手は、インフルエンサー出身の英国人ボクサー、ウォーレン・スペンサー。戦績は3勝2敗と決して無名ではないが、この日は開始から“狩る側”と“狩られる側”がはっきりと分かれた。

序盤からファーガソンは一歩も引かない。ジャブを突き、右を叩き込み、間合いを潰して前進。第2ラウンドには強烈なパンチでダウンを奪い、一気に試合の主導権を掌握した。その後も手数は衰えず、圧力と連打でスペンサーを削り続ける。

そして迎えた最終5ラウンド。猛攻の最中にマウスピースが宙を舞い、白い破片がキャンバスに落ちた。各国メディアは「歯が落ちた」と一斉に報道。ファーガソンは容赦なくギアを上げ、ロープへ追い詰めると、相手の足は完全に制御を失っていた。

だが無情にもゴング。試合はKO決着にこそならなかったものの、判定は3-0(49-45×2、48-46)。文句なしの内容でファーガソンが新王者に輝いた。

UFCでは晩年に8連敗を喫し、「もう終わった」と囁かれていた男。しかし、この夜のファーガソンは違った。SNS上には「トニーが勝つ姿を見られて泣いた」「トニータイムはまだ続いてる」「元気な姿が何より嬉しい」と、かつて彼に熱狂したファンの声が溢れた。

試合後、ファーガソンはリング上で静かに語った。
「自分はアスリートでいることが好きなんだ。ボクシングは、“戦うことは楽しい”と示すための舞台だ」