ネイマール、再び“覚悟”の決断―サントスを救った代償と、W杯への静かな闘い

2025.12.23

ブラジルサッカー界の象徴が、また一つ大きな決断を下した。
サントスは12月22日、元ブラジル代表FWネイマールが

膝の手術を受け、無事に成功したと発表した。


 

33歳のネイマールは同日午前、ブラジル・マテル・デイ・ノヴァ・リマ病院で関節鏡による手術を実施。執刀したのは、ブラジル代表でも知られるロドリゴ・ラスマル医師だ。クラブによれば手術は問題なく終了し、術後の経過も良好。同日中に退院し、今後は本格的なリハビリに入るという。

今回の手術は、今季終盤に抱えていた左膝半月板損傷への対応だった。本来であれば年内の復帰は困難と見られていたが、ネイマールはそれでもピッチに立つ道を選んだ。
降格危機にあった古巣サントスを救うためだ。

無理を承知で出場を続けたエースは、ハットトリックを含む圧巻のパフォーマンスでチームをけん引。クラブの残留を決定づける働きを見せ、シーズン終了後に手術を受ける意向を自ら明かしていた。
その姿は、スターである以前に「サントスの一員」であることを強く印象づけるものだった。

一方で、この手術はネイマールの未来にも大きな影響を及ぼす。
注目は、半年後に迫る2026年北中米ワールドカップへの道だ。

ブラジル代表を率いるカルロ・アンチェロッティ監督は、状態が万全であれば招集を検討する姿勢を示しているものの、ネイマールは2023年10月を最後に、すでに2年以上も代表のピッチから遠ざかっている。年齢、度重なる負傷、そして復帰までの時間――すべてが厳しい現実として立ちはだかる。

それでも、今回の決断は「終わり」ではなく「再出発」だ。
サントスを救うために身体を張り、その代償を今オフに清算する。W杯という最後の大舞台を見据え、ネイマールは静かに、しかし確実に闘いを続けている。

その背中が再び世界の大舞台に立つかどうか。
答えは、これから始まるリハビリの日々の先にある。