ME:I 説明なき4人同時離脱が突きつけた“沈黙の代償”「日プ女子」が紡いだ物語はどこで壊れたのか
11人組ガールズグループ・ME:Iに起きた4人同時の活動終了は、
アイドル史の中でも極めて異例のケースだ。
12月22日、公式サイトを通じて発表されたのは、COCORO、RAN、SHIZUKU、KOKONAの4人が年内をもって専属マネジメント契約を満了し、グループとしての活動を終えるという事実のみ。理由の説明も、本人コメントも一切なかった。
単なる「脱退発表」ではない。ファンが最も困惑しているのは、
説明の不在と沈黙の徹底だ。
▪️「コメントなし」は偶然ではない
グループからの離脱自体は珍しくない。しかし、不祥事や方向性の違いなど、どのようなケースであっても、本人の言葉が添えられるのが通例だ。
それが今回は、4人同時、理由非公表、本人コメントなしという三重の異例。
ME:Iは『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』というサバイバル番組を通じて誕生したグループであり、ファンは単に楽曲やパフォーマンスを追ってきたわけではない。
「選ばれる過程」「葛藤」「成長」という物語を共有してきた当事者だ。
その物語の出口が、説明も感情も置き去りにされたまま
閉ざされたことへの反発は、当然と言える。
▪️年内ラスト公演直後の暗転
衝撃をさらに大きくしたのは、タイミングだ。
発表のわずか8日前、ME:Iは東京・有明アリーナで全国ツアーのアンコール公演最終日を迎えていた。
療養中・活動休止中の3人は不在だったものの、会場には彼女たちの名前入りうちわを掲げるファンの姿が多く見られた。
ステージ上の8人は、少なくとも表面上は「未来」を疑わせないパフォーマンスを見せていた。
しかし、終演間際のMCで語られたリーダー・MOMONAの言葉は、今振り返ると重い意味を帯びる。
「今、自分めっちゃ頼りないな……私、ステージに立つ資格もあるのかなって思う瞬間がありました」
明るく包み込むような語り口だったが、
その裏に抱えていた現実を、観客は知る由もなかった。
▪️語られなかった「責任の所在」
ファンの間で今、静かに広がっているのは怒りよりも疑問だ。
なぜ説明がないのか。
なぜ本人の言葉を奪う形になったのか。
そして、その判断を下したのは誰なのか。
沈黙は時に、混乱を防ぐための選択とされる。しかし今回は逆だ。
語られないことで、憶測と不信が拡大している。
30代の女性ファンはこう漏らす。
「脱退そのものより、何も言えない状況がつらい。4人が悪者にならないためにも、せめて一言でいいから言葉を残してほしかった」
▪️「物語」を売ったグループの責任
ME:Iは、“物語性”を最大の武器として誕生したグループだ。
であるならば、その終章にも、最低限の説明と感情が必要だったのではないか。
4人の未来を守るための沈黙だったのか。
それとも、運営側の事情が優先された結果なのか。
現時点で答えはない。
ただ一つ確かなのは、この説明なき離脱が、
]ME:Iというグループの信頼構造に大きな亀裂を残したという事実だ。
物語は、語られてこそ完結する。
沈黙のままでは、それは“終わった”のではなく、“壊れた”と受け取られてしまう。

