坂本花織選手、全日本5連覇の翌日に語った本音「五輪決定より“最後”が胸にきた」集大成ミラノへ掲げる“正真正銘の銀以上”

2025.12.22

【©️IOC】

全日本選手権で女子史上5人目の5連覇を成し遂げ、日本女子初となる3大会連続五輪出場を決めた坂本花織選手(シスメックス)。その激闘から一夜明けた22日、都内で新聞メディアの取材に応じ、胸の内を静かに、そして率直に明かした。


 

「今回は、五輪が決まったというよりも、全日本を“やりきった”という思いが大きすぎました。一瞬、五輪シーズンだということを忘れてしまうくらいで……。“これが最後”という気持ちが強くて、自然と泣けてきました」

現役最後の全日本。ショートプログラム、フリーともに首位を守り切り、盤石の内容で頂点に立ったが、坂本の心を支配していたのは結果以上に“区切り”だった。

2022年北京五輪では、団体で銀メダル、個人で銅メダルを獲得。

だが団体の銀は、ロシアの失格による繰り上がりで手にしたものだった。

その経験が、坂本選手の中に消えない思いを残している。

「個人は銅だったので、銀以上がほしい。団体も、正真正銘の銀以上がほしい。その場で、ちゃんとメダルをもらいたい。(前みたいに)2年半も待ってられへんです」

関西弁交じりの言葉には、冗談めかしながらも、3度目の五輪に懸ける覚悟がにじんだ。ただ“出場する”段階は、すでに超えている。

26年ミラノ・コルティナ五輪は、坂本にとって競技人生の集大成となる舞台だ。
日本代表は男女シングル各3人に加え、ペア2組、アイスダンス1組の計12人が団体戦要員として名を連ねる。ペアでは世界王者・三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が史上初の金メダル候補として期待され、男女シングルでも複数メダルの可能性が高い。

日本勢の五輪最多メダルは北京大会の4個。

その記録更新への期待も高まる中、坂本はチームの“柱”として、そして日本女子の象徴として五輪のリンクに立つ。