ロケッツ躍進の象徴―ケビン・デュラントが通算3万1000得点で新時代を告げる
【©️Houston Rockets】
ヒューストンに、またひとつ歴史的瞬間が刻まれた。12月6日(現地5日)、フェニックス・サンズとの一戦で117-98と完勝したロケッツは、今季成績を15勝5敗とし好調をキープ。その勝利の中心には、ベテランの域を超えてなおリーグに影響を与え続ける男―ケビン・デュラントの姿があった。
この日“古巣対決”に臨んだデュラントは32分で28得点に加え、リバウンド・アシスト・スティール・ブロックをバランスよく積み上げる堂々のパフォーマンス。
そして第1クォーター残り約6分、得意のミドルレンジから放った一投が、キャリア通算3万1000得点という金字塔にロケットの尾を引いた。
このスケールの数字に到達したのはNBA史上わずか8人。レブロン・ジェームズを筆頭に、チェンバレン、ジャバー、ジョーダン、マローン、ブライアント、ノビツキー20年以上語り継がれてきたレジェンドたちと肩を並べたことになる。
ロケッツのイーメイ・ウドカHCも、試合後その価値を強調した。
「これだけ長く、これほどのレベルでプレーし続けている選手はそうはいない。今日の記録は、その証明だ」
昨季のロケッツはウェスト2位でレギュラーシーズンを終えながらも、プレーオフ初戦で姿を消すという悔しさを味わった。だからこそ今オフの「デュラント獲得」は、単なる補強ではなく“常勝軍団への覚醒”を象徴する事件だったと言っていい。
37歳となった今季も、デュラントは平均25.2得点、FG50.2%、3P38.6%とエース級のスタッツを維持。オクラホマシティ・サンダーが22勝1敗という驚異的ペースで走る中、ロケッツがどう食らいつくのか!? その命運を握るのは、やはり背番号35だ。
新しいロケッツの時代は、デュラントという“歴史そのもの”の上に築かれようとしている。次戦は7日、敵地でマーベリックスと対戦。
節目を越えたベテランが、今季も衰え知らずだ。

