モラントはトレードされるのか!? 揺れるスターの現在地 圧倒的才能と人気ゆえに噴き上がるさまざまな課題

2025.11.23

【©️Memphis Grizzlies】

グリズリーズの“絶対的エース”ジャ・モラントに、再び不運が襲った。

現地時間11月13日(日本時間14日)、ボストン・セルティックス戦の最中に

右ふくらはぎを負傷。約2週間の欠場と発表された。


 

この離脱に、グリズリーズ首脳陣は戦力ダウン以上の懸念を抱えている。

なぜなら、モラントはリーグを代表する若手スターであると同時に、トレード市場においても破格の価値を持つ存在だからだ。

負傷により評価が揺らぐことは避けたいのが本音だろう。

実際、モラントは今季もチームの得点源であり、平均17.9点と7.6アシストはいずれもチームトップ。爆発的なスピードと跳躍力、“見たくなるプレー”を連発するスター性は健在で、全国的な人気は絶対的だ。グッズ売上や放送価値を含め、彼の存在はメンフィスにとって計り知れない。

さらに、契約は今季を含め3年残り、本人が移籍を望んでいるわけでもない。

通常であれば“放出”という選択肢は想定されない。

しかし、リーグ随一と言われる素行面のトラブルが、

フランチャイズの忍耐力を試し続けているのも事実だ。

モラントのキャリアは輝かしい。

2019年ドラフト2位で入団し、ルーキー年に17.8点、7.3アシストを記録して新人王を獲得。3年目には平均27.4点まで得点を伸ばし、オールスター選出、MIP受賞という飛躍ぶり。

ケビン・デュラント(ロケッツ)から「いずれリーグの顔になる」とさえ称賛されたほどで、将来を嘱望される若きスーパースターである。

だが、その輝きと同じだけの影を抱えてきた。

2022年夏以降、警備員との小競り合い、少年とのトラブルなどが報じられ、2023年3月にはインスタライブ中に拳銃を誇示した行為によりNBAから8試合の出場停止処分。にもかかわらず、2か月後には再び同様の行動を起こし、今度は25試合の重い処分を科せられた。

リーグの“未来の顔”とまで言われた男が、いまや「最も悩ましい問題児」のレッテルを貼られるまでになったことは、誰より本人が痛感しているはずだ。

それでも、コートに立ったときの圧倒的な躍動感、観客の心をつかむスター性は比類ない。だからこそ、グリズリーズは最後まで彼を信じたいし、リーグもまた彼の復活を待っている。