クリス・ポール引退へ“日本人の足に最も寄り添ったCPシリーズ”が残した功績も再評価すべき時期に
NBA屈指の名司令塔が21年のキャリアに幕
【©️Chris Paul /Los Angeles Clippers 】
NBAの歴史に燦然と名を刻むポイントガード、
クリス・ポール(40=クリッパーズ)が22日(日本時間23日)、
自身のインスタグラムを通じて今季限りでの現役引退を正式に表明した。
リーグ歴代2位となる通算1万2532アシスト、2727スティールなど、
そのキャリアはまさに“現代PGの理想形”を体現したものだった。
しかし、今回の引退表明を受け、バスケットボールファンの間では、
ポール本人の功績に加えて、日本でも一時代を築いた
「CPシリーズ」の存在が改めて注目されている。
■「CPシリーズ」はなぜ日本で支持されたのか!?
ポールの名を冠したナイキ「CP3」シリーズは、
NBAファンだけでなく日本国内でも絶大な人気を誇った。
特に2010年前後、
“日本人の足型に合いやすいローカット寄りのフィット感”
“安定性と軽さの絶妙なバランス”
が高く評価され、学生プレーヤーを中心に爆発的な支持を獲得。
インドアの体育館フロアに最適化されたグリップ性能は、
「もっとも履きやすいPGシューズ」と語り継ぐプレーヤーも多い。
近年のハイテクモデルとは異なり、足幅が広めの日本人プレーヤーにも
自然に馴染む設計が多く、国内の一部ショップでは
“CPシリーズだけが異常に売れる”という現象が起こったほどだ。
■キャリア21年、7チームを渡り歩いた“職人”
ポールは2005年、ウェイクフォレスト大からドラフト1巡目4位でホーネッツ入り。
クリッパーズ、ロケッツ、サンズ、ウォリアーズ、スパーズと計7チームを渡り歩きながら、常に所属チームの攻撃を再構築し、勝利へ導いてきた。
現役2位の通算1364試合に出場し、2万3036得点。
最多アシスト5回、最多スティール6回、オールNBA11回、オールスター12回…。
“優勝こそ無いが、PG像を変えた男”との評価は揺るがない。
■故郷での一言「最高の旅だった」
引退を示唆した投稿でポールは、故郷ノースカロライナに戻った心境を素直に語った。
「ノースカロライナに帰ってきた!最高の旅だった…まだやることはあるけど、この最後の機会に心から感謝!」
ホーネッツ戦では途中出場ながら23分プレーし、
8アシスト、4リバウンド、3得点と健在ぶりを示した。
【文:高須基一朗】

