Ado「愛して愛して愛して」MV公開停止 クリエイティブ一部無断使用を確認、ユニバーサルが迅速対応で再発防止策も提示
ユニバーサル ミュージックは14日、公式サイトを更新し、Ado「愛して愛して愛して」のミュージックビデオ(MV)について、クリエイティブの一部が無断で使用されていたことを確認し、公開を停止したことを報告した。謝罪とともに再発防止策も提示している。
公式サイトでは、「2025年4月に公開したAdoの『愛して愛して愛して』のMVにおきまして、弊社による自主的な調査の結果、動画の赤卵氏とイラストのさしみやま氏によるユニット『さしたま』様のクリエイティブの一部を無断で使用していたことが確認されました。
その対応として、弊社判断により公開を停止いたしました」と報告。
関係者やファンへの謝意も述べた。
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本件は、直鎖権(著作権の一形態)の侵害のボーダーラインが極めて微妙であり、判断が難しいケースに該当する。レーベル側の迅速な対応は、決して過剰でも誤りでもなく、むしろ適切な措置であったと言える。
MV制作の経緯については、もともと「愛して愛して愛して」はボカロP・きくお氏の楽曲であり、さしたま氏が制作したオリジナルMVが存在していた。
ユニバーサルは2023年、きくお氏の承諾のもとAdoによる「歌ってみた音源」を制作。今回のMV制作にあたり、オリジナルMVをオマージュする意図はあったものの、著作権に関する認識不足や法務確認のプロセスを踏まなかったため、結果的にクリエイティブの一部を使用することとなった。
公式では、「本件は弊社の管理体制によるものであり、Ado本人や制作チームは許諾取得や法務確認の立場にないため、無断使用には関与していません」と明記。
ユニバーサルは、今回の件を受けて再発防止策として、
①著作権に関する社内教育の再徹底
②制作物公開前の法務確認プロセスの強化
③外部クリエイター作品利用に関するガイドライン策定と遵守
以上3点を提示。
グループ全社を挙げて取り組む姿勢を示している。
今回の迅速かつ丁寧な対応は、難しい境界線上にある
クリエイティブ利用の問題に対し、
レーベル側が慎重かつ誠実に判断した証左であり、
クリエイターの権利を尊重する姿勢として高く評価できる。