NBA人気選手ウェンバンヤマ発案!NBAに“ウルトラス文化”導入へ スパーズが新応援集団「ジャッカルズ」始動
【©️San Antonio Spurs】
サンアントニオ・スパーズが、NBAの歴史に新たなページを刻もうとしている。
若きスーパースター、ヴィクター・ウェンバンヤマの主導で誕生した
サポーター集団「スパーズ・ジャッカルズ」が、正式に活動を開始した。
欧州サッカーの“ウルトラス文化”をモデルにしたこの試みは、これまでの北米スポーツ界には存在しなかったものだ。
ウェンバンヤマが自らオーディションを主導し、約70名の男女メンバーを選出。
3人のリーダーを任命するなど、組織的な体制で臨む。
チームの公式X(旧Twitter)によると、ジャッカルズの目的は「これまでにないホームコート・アドバンテージを生み出すこと」。4日には本拠地フロストバンク・センターで初の活動を行い、6日のプレシーズンマッチ(対広州ロング・ライオンズ)で“デビュー”を果たした。
完成しているチャントはすでに6曲。その中にはウェンバンヤマ本人に捧げられたものもあり、本人も「とてもいいメロディーだと思う」と笑顔を見せたという。
一方で、ファンの配置場所には課題も残る。
ジャッカルズは年間999ドル(約14万8000円)という手頃な価格設定ながら、座席はアリーナ上段に割り当てられた。サッカーの“ゴール裏”のようにコートに近い位置ではなく、視覚的な迫力に欠けるとの声もある。
これについてウェンバンヤマは試合後の会見で「理想はもちろんコートサイドだが、現時点では様々な要因が関係していると思う。ただ、方向性は間違っていない」と前向きに語った。
フランスのスポーツ紙『レキップ』によると、ウェンバンヤマは初日の活動中にスタンドへ駆け寄り、ジャッカルズのメンバーと一緒に太鼓を鳴らして盛り上げたという。
自身が発案者であるだけに、その熱量は本物だ。
「このプロジェクトはファン体験を変える可能性がある。僕は情熱あるメンバーを自分の目で選んだ。ここからもっと成長して、スパーズだけでなくNBA全体にとって特別な存在になるはずだ」とウェンバンヤマ。
NBAではこれまで、ファンの応援文化はエンタメ性を重視した演出が中心で、サッカーのような一体感ある応援は珍しかった。
スパーズの新たな挑戦は、米国スポーツビジネスにおける「観戦体験の再定義」とも言える。