木村拓哉さん『教場』 織田裕二さん『踊る』フジ映画事業の起死回生を担う2026年の2大プロジェクト
かつては「月9」などドラマ黄金期を誇ったフジテレビだが、ここ数年は視聴率低迷やスポンサー離れなどに苦しんでいる。特にドラマ部門では大型ヒットが出ず、テレビ事業全体の収益は落ち込みを見せている。
一方で、映画事業が健闘し、局の業績を支える柱となりつつある。
その背景には、往年の大ヒットシリーズの復活や国民的スターの主演映画が
立て続けに企画され、確実に興行収入を積み上げている点がある。
▪️『踊る大捜査線』シリーズ、累計興収500億円突破の実績
フジ映画の屋台骨を支えるのが、織田裕二さん(57)主演の『踊る大捜査線』シリーズだ。
2003年公開の『レインボーブリッジを封鎖せよ!』は 173.5億円 の興収を記録し、邦画実写歴代1位として20年以上破られていない。
2024年には柳葉敏郎(64)演じる室井慎次を主人公としたスピンオフ2部作が公開され、1作目『敗れざる者』まで含めた シリーズ累計興収は500億円を突破。
続編『生き続ける者』も 17億円 を上げ、根強い人気を示した。
近年の邦画ヒット作『国宝』(133億円)と比較しても、『踊る』の数字がいかに突出しているかがわかる。フジにとっては、もはやドラマではなく映画が「国民的コンテンツ」を担っている状況だ。
▪️木村拓哉さん主演『教場』も2部作で勝負
2026年公開予定の劇場版『教場』も大きな期待を背負う。
主演は国民的俳優・木村拓哉(52)。撮影は約4か月に及び、すでに前後編2部作として完成している。
木村は打ち上げでフジの現状を示唆しながらスタッフに感謝を述べ、インスタグラムでも「信じられないような過酷な状況の中でも支えてくれた仲間に感謝」とコメント。
フジテレビの騒動最中での混乱での製作であった事情を背景に、
作品に対する強い思いを表している。
2部作公開によって興収の合計がさらに膨らむ見通しで、フジにとっては『踊る』に続く“看板シリーズ”に育てたい狙いがある。
▪️女性キャストの注目度も高くなっている点
また、映画の成功を後押しするのが女性キャストの存在だ。
『教場』には、NHK朝ドラ『ブギウギ』で評価を高めた趣里(34)が出演。
妊娠・結婚を発表したばかりで、公私ともに注目を集める存在となっている。
一方、『踊る』新作には深津絵里(52)の出演続投が報じられており、往年のファンの期待を高めている。
▪️映画事業こそがフジ再建のカギに
かつてのドラマ事業が「低迷の象徴」となっている中、映画部門はシリーズものやスター俳優の投入で確実に結果を出している。
『踊る』はシリーズ累計500億円超
『教場』は2部作体制で興収拡大が確実視。
さらに刑事物作品には、織田裕二に木村拓哉と50代のファン層が相まって、
親子で映画に行ける利点もある。
春休みや夏休みになると『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』のアニメ映画に親子で劇場へ足を運ぶ年齢層よりは、高めなターゲット層になるが
10代後半から20代前半のZ世代と、
その親世代が同時に巻き込んで、昭和と令和の融合をもたらす
映画を楽しめる工夫に戦略は間違いないだろう。
ドラマで失った視聴者の信頼を、映画で取り戻せるか。
今年は、邦画の映画作品が軒並み成功をしている状況から考えても、
2026年はフジテレビにとって、映画事業の莫大な利益をもたらす重要な1年となる。