ウインターカップ2025・女子3回戦 倉敷翠松、司令塔の冷静な舵取りで競り勝つ
高校バスケットボールの冬の舞台、ウインターカップ2025は
12月25日、東京体育館で女子3回戦が行われ、
倉敷翠松高等学校(岡山県①)が
名古屋経済大学高蔵高等学校(愛知県③)を55―48で下し、次戦へ駒を進めた。
スコアが示す以上に、試合内容を象徴したのは、
終始崩れなかった倉敷翠松の試合運び。
その中心でゲームを制御し続けたのが、ガードの4番・高田麗だった。
▪️第1クォーター 序盤から主導権を確立
倉敷翠松は立ち上がりから高い集中力を見せた。
14番・池田のミドルシュート、18番・吉竹のレイアップで先制すると、ディフェンスでも相手の攻撃を限定。インサイドと外角を明確に分断し、名古屋経済大学高蔵に自由な展開を許さなかった。
高田はこの時間帯、ボールを長く保持せず、的確な配球でテンポを整える役割に徹した。自らミドルシュートを沈める場面もあったが、いずれも流れを見極めた上での選択だった。
第1クォーターは17―8。
倉敷翠松が主導権を握って終えた。
▪️第2クォーター 選手交代でも崩れない設計
序盤のリードを背景に、倉敷翠松は第2クォーターで積極的に選手交代を行う。
通常であればリズムが乱れやすい時間帯だが、攻守の約束事は明確で、展開は安定したままだった。
ベンチメンバーが入っても、攻撃の組み立てと守備の強度は一定。その土台を支えたのが高田の判断だった。必要以上にペースを上げず、時間と状況を管理しながら、再び主力をコートに戻すタイミングを作り出した。
▪️第3クォーター 温存と再投入の判断
後半に入っても、倉敷翠松のゲームプランは明確だった。15番・オルショガブサヨを軸にインサイドで得点を重ねつつ、高田は無理に展開を早めない。
再び主力をベンチに下げる場面でも、試合の流れが相手に傾くことはなかった。
▪️第4クォーター 同点でも揺れない対応
試合終盤、名古屋経済大学高蔵が粘りを見せ、41―41の同点に追いつく。
会場の空気が一変する中でも、倉敷翠松の対応は落ち着いていた。
一度のミスシュートで流れを手放すことはなく、タイムアウト後はポストプレーと速攻を効果的に使い分けて再び主導権を奪取。
残り時間を見据えた攻撃選択で得点を重ね、
終盤には15番が決定的なミドルシュートを沈めて勝負を決めた。
▪️数字以上に際立った司令塔の存在
高田の得点は2点にとどまった。
しかし、試合のテンポ、攻撃の選択、選手起用のリズムを支配していたのは間違いなく4番だった。
冷静な判断を積み重ねるガードの存在と、それを信頼して動くチームの完成度だった。















